出版社内容情報
時計修理屋、行商人、牧師──三世代の男の不器用な人間模様を、痛切なまでに鮮やかに描き出したピュリツァー賞受賞作。
内容説明
退職後、時計修理を営んできた80歳のジョージ・ワシントン・クロスビーは、死の床で、自宅がばらばらに崩壊する白昼夢を見る。記憶や思い出の数々が脳裏に浮かんでは消えていくなか、鮮明に思い出したのは、11歳のとき、貧しい行商人だった父ハワードが、クリスマスイヴの夕食の準備のさなかに癲癇の発作におそわれた光景だった。ジョージは父が頭を床に打ちつけないようおさえつけていた指を強く噛まれ、それを見た妻キャスリーンは、夫を施設に入れることをひそかに決意する。その計画を知ったハワードは絶望し、いつものように行商に出たまま、二度と戻ることはなかった。病を苦にし、家を出た父の意識の流れ、牧師だった祖父のエピソードなど、現代を含むさまざまな時間軸の物語が、18世紀の時計修理手引書からの抜粋や手書きの文章とともに織り上げられていく。死にゆくジョージが最後に思い出した光景とは…驚異の新人による奇跡のデビュー作。2010年度ピュリツァー賞受賞作。
著者等紹介
ハーディング,ポール[ハーディング,ポール][Harding,Paul]
1967年生まれ。ロックバンドのドラマーとして活動した後、アイオワ大学の創作科課程を修了。ハーヴァード大学の創作科などで講師を務めるかたわら執筆した『ティンカーズ』が、ニューヨーク大学医学部付属の新興出版社ベルビュー・プレスより2009年に刊行されてデビュー。2010年度ピュリツァー賞フィクション部門を受賞し、一躍その名を知られるようになる。ボストン近郊在住
小竹由美子[コタケユミコ]
1954年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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