出版社内容情報
内戦下のベイルートで、過酷な日常を生きる少年バッサームと、「デニーロ」と呼ばれる幼なじみのジョルジュ、二人の友情の行方は? 国際INPACダブリン文学賞受賞作。
内容説明
内戦下のベイルートで、キリスト教民兵組織が支配する地区に暮らすアルメニア系の少年バッサーム。幼なじみのジョルジュは「デニーロ」というあだ名で呼ばれている。二人はジョルジュが働くカジノから金をくすね、ガソリンを盗んではバイクを乗り回す日々を送る。ジョルジュはカジノを運営する民兵組織に引き抜かれ、イスラエルで訓練を受けるかたわら、密造酒や麻薬の取引をバッサームに持ちかけ、次第に二人は疎遠になっていく。ある日、バッサームはある殺人事件の嫌疑をかけられ、民兵組織に連行され拷問を受けるが、ジョルジュの叔母の計らいによって解放される。彼はレバノン国外に逃れる決心を固め、その資金を手に入れるため、カジノの売上を強奪する。脱出の直前、キリスト教勢力の最高司令官が暗殺され、それに関与した容疑をかけられたバッサームを、ジョルジュが連行しにやってくる…。
著者等紹介
ハージ,ラウィ[ハージ,ラウィ][Hage,Rawi]
1964年ベイルート生まれ。75年に始まったレバノン内戦下のベイルートとキプロスで育つ。84年ニューヨークに渡り、92年モントリオールに移住、写真と美術を学ぶ。ケベック大学でMFAを取得。2006年、小説第一作である『デニーロ・ゲーム』を発表。カナダの主要な文学賞に次々とノミネートされたほか、2008年度国際IMPACダブリン文学賞を受賞、世界30カ国で翻訳されている。同年、第二作Cockroachを発表。写真家としての顔も持ち、世界各地で個展を開いている。現在、モントリオール在住
藤井光[フジイヒカル]
1980年大阪生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、同志社大学文学部英文学科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
まふ
藤月はな(灯れ松明の火)
NAO
りつこ