出版社内容情報
巨匠作家が死体で発見され、未完の小説が消えた!? 助手ミゲルは真相を求めてフィリピンに赴くが、捜査は難航する……。注目の新人による、多数の声をちりばめた迷宮的な長篇。
内容説明
2002年2月、ニューヨークで活動を続けてきたフィリピン人亡命作家クリスピンが、ハドソン川にて死体で見つかった。彼の書斎からは、近代フィリピンを牛耳ってきた歴代の富と権力の内情を暴いた、執筆中の小説の原稿が消えていた。クリスピンの若き教え子ミゲルは、謎めいた死の真相を解明すべく、母国フィリピンへと旅立つ。師の足跡を追って奔走するミゲルだが、頻発する反政府デモ、テロ、停電、大洪水など事件や惨事がつぎつぎに起こり、師の知人たちとの会見も難航する。しかしそのような困難のなか、やがて師の人生を追うことの本当の意味に気づきはじめたミゲルは、迷宮を抜けだす道を求めて、飛行機で離島へ向かう…。
著者等紹介
シフーコ,ミゲル[シフーコ,ミゲル][Syjuco,Miguel]
1976年、フィリピンのマニラ生まれ。アテネオ大学で英文学学位とコロンビア大学でクリエイティヴ・ライティング修士号を取得、アデレード大学で博士号を申請中。処女作の『イルストラード』は、2008年に“マン・アジアン文学賞”(イギリスの“マン・ブッカー賞”のアジア版)受賞をはじめ、多数の文学賞を受賞して高い評価を受け、世界各国で翻訳出版されている。現在はモントリオール在住
中野学而[ナカノガクジ]
1972年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科。欧米系文化研究専攻単位取得退学。東京女子大学現代教養学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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