出版社内容情報
古代スラヴ語から読み解く東欧の歴史
古代スラヴ語とは、西暦9世紀の後半から11世紀末にかけて、当時のスラヴ人が文章語として用いた言葉。自分たちの言葉を教会の典礼言語として整えるためにグラゴール文字が作られ、そしてキリル文字へと変わっていった過程をたどります。さらに、スラヴの言語は、歴史と共にどのように変化していったのか。なぜ、キリル文字を使う言語とラテン文字を使う言語に分かれているのか。言葉と文字の変遷から東欧の基礎的な成り立ちが見えてきます。
内容説明
スラヴ人はどこから来て、どのように自分たちの文字を獲得したのか。そしてスラヴの言語は、歴史と共にどのように変化していったのか。古代スラヴ語から読み解く東ヨーロッパの歴史。
目次
第1章 古代スラヴ語の誕生前夜―西暦九世紀半ばのモラヴィアで
第2章 古代スラヴ語誕生
第3章 モラヴィア国における古代スラヴ語の盛衰
第4章 ブルガリアへの古代スラヴ語の伝播―九世紀末のブルガリアで
第5章 ブルガリアにおける古代スラヴ語の黄金時代―キリル文字の考案
第6章 古代スラヴ語の終焉―十世紀末のキエフ・ルーシで
第7章 古代スラヴ語の終焉とその後のスラヴ社会
第8章 スラヴ人とは
第9章 十九世紀から見た古代スラヴ語
第10章 なぜ「現代スラヴ語」という単一の言語は存在しないのか―「スラヴ語」の概念の移り変わり
第11章 文字によって二分される現代のスラヴ諸語―キリル文字とローマ字
著者等紹介
服部文昭[ハットリフミアキ]
1954年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専門はスラヴ諸語に関する機能論的ならびに文献学的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。