出版社内容情報
浅草をふりだしに、横浜方面の京浜工業地帯へ――谷崎潤一郎の名作をもとに、映画人でもあった文豪の「嗜好」の遍歴を辿るエッセイ。
鹿島茂氏推薦! 名作熟読玩味
震災をきっかけとして「西へ流れて」いった作家に、谷崎潤一郎がいる。マゾヒズムに彩られた耽美主義の谷崎文学が、エログロナンセンスな大衆小説が花開いた大正大震災後の日本においても異色を放ち、その陰翳礼讃な美学はワールドワイドに評価を集め、その文章が今なお文章讀本として読み継がれている。だがしかし、谷崎が映画に深く関わってもいたという事実は、あまり知られていないのではなかろうか。
本書は谷崎潤一郎を映画人として論じてゆくことで真実に迫る、軽妙洒脱なエッセイ。「ナオミズム」に彩られた『痴人の愛』に焦点をしぼることで、映画人でもあった文豪の「嗜好=志向」の遍歴を辿る。
浅草をふりだしに、新橋?品川?大井町?大森?蒲田?横浜方面へ、京浜工業地帯をいわば都営浅草線=京浜急行線が都心から郊外へ南下してゆくように主人公たちは移動するが、はたして谷崎は、『痴人の愛』を書くにあたって何を構想し、いかなる意図によって執筆したのか?
「これは私が書こうと思っていたことだ。やられた!」と、鹿島茂氏も推薦! 都市風俗小説をデジタルメディアの眼で照射し、谷崎山脈を一作で見渡すことのできる快刀乱麻の書。
プロローグ
一 ふりだしは浅草
二 ひょうたん池から色街へ
三 京浜急行に乗って
四 大正時代のベージング・ガール
五 谷崎潤一郎の映画観について
六 小田原で細君をゆずる
七 横浜のモダンボーイ&モダンガール
八 オペラシティとチネチッタ
九 河合譲治というライフスタイル
十 ファッションリーダーとしてのナオミ
十一 戯曲と脚本のちがいに気づいて小説を書く
十二 セシル・B・デミルと上流階級
十三 『痴人の愛』という幻の映画
十四 東の思想、西の経済
エピローグ
参考文献
【著者紹介】
1964年大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科中退。在学中の1984年から1987年頃にかけて、大阪門真市の海洋堂ホビー館に関わり、組立、宣伝などに携わる。1998年に上京して脚本家をはじめ、グルメライター、映画監督、ゲーム、iOSアプリ制作などで幅広く活動。著書に『海洋堂創世記』(白水社)。
内容説明
浅草をふりだしに、横浜方面の京浜工業地帯へ―谷崎潤一郎の名作をもとに、映画人でもあった文豪の「嗜好=志向」の遍歴を辿る。
目次
ふりだしは浅草
ひょうたん池から色街へ
京浜急行に乗って
大正時代のベージング・ガール
谷崎潤一郎の映画観について
小田原で細君をゆずる
横浜のモダンボーイ&モダンガール
オペラシティとチネチッタ
河合譲治というライフスタイル
ファッションリーダーとしてのナオミ
戯曲と脚本のちがいに気づいて小説を書く
セシル・B・デミルという上流階級
『痴人の愛』という幻の映画
東の思想、西の経済
著者等紹介
樫原辰郎[カシハラタツロウ]
1964年大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科中退。在学中の1984年から1987年頃にかけて、大阪門真市の海洋堂ホビー館に関わり、組立、宣伝などに携わる。1998年に上京して脚本家をはじめ、グルメライター、映画監督、ゲーム、iOSアプリ制作などで幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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