『痴人の愛』を歩く

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560084946
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

浅草をふりだしに、横浜方面の京浜工業地帯へ――谷崎潤一郎の名作をもとに、映画人でもあった文豪の「嗜好」の遍歴を辿るエッセイ。

鹿島茂氏推薦! 名作熟読玩味
 震災をきっかけとして「西へ流れて」いった作家に、谷崎潤一郎がいる。マゾヒズムに彩られた耽美主義の谷崎文学が、エログロナンセンスな大衆小説が花開いた大正大震災後の日本においても異色を放ち、その陰翳礼讃な美学はワールドワイドに評価を集め、その文章が今なお文章讀本として読み継がれている。だがしかし、谷崎が映画に深く関わってもいたという事実は、あまり知られていないのではなかろうか。
 本書は谷崎潤一郎を映画人として論じてゆくことで真実に迫る、軽妙洒脱なエッセイ。「ナオミズム」に彩られた『痴人の愛』に焦点をしぼることで、映画人でもあった文豪の「嗜好=志向」の遍歴を辿る。
 浅草をふりだしに、新橋?品川?大井町?大森?蒲田?横浜方面へ、京浜工業地帯をいわば都営浅草線=京浜急行線が都心から郊外へ南下してゆくように主人公たちは移動するが、はたして谷崎は、『痴人の愛』を書くにあたって何を構想し、いかなる意図によって執筆したのか?
 「これは私が書こうと思っていたことだ。やられた!」と、鹿島茂氏も推薦! 都市風俗小説をデジタルメディアの眼で照射し、谷崎山脈を一作で見渡すことのできる快刀乱麻の書。

プロローグ

一  ふりだしは浅草
二  ひょうたん池から色街へ
三  京浜急行に乗って
四  大正時代のベージング・ガール
五  谷崎潤一郎の映画観について
六  小田原で細君をゆずる
七  横浜のモダンボーイ&モダンガール
八  オペラシティとチネチッタ
九  河合譲治というライフスタイル
十  ファッションリーダーとしてのナオミ
十一 戯曲と脚本のちがいに気づいて小説を書く
十二 セシル・B・デミルと上流階級
十三 『痴人の愛』という幻の映画
十四 東の思想、西の経済

 エピローグ
 参考文献

【著者紹介】
1964年大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科中退。在学中の1984年から1987年頃にかけて、大阪門真市の海洋堂ホビー館に関わり、組立、宣伝などに携わる。1998年に上京して脚本家をはじめ、グルメライター、映画監督、ゲーム、iOSアプリ制作などで幅広く活動。著書に『海洋堂創世記』(白水社)。

内容説明

浅草をふりだしに、横浜方面の京浜工業地帯へ―谷崎潤一郎の名作をもとに、映画人でもあった文豪の「嗜好=志向」の遍歴を辿る。

目次

ふりだしは浅草
ひょうたん池から色街へ
京浜急行に乗って
大正時代のベージング・ガール
谷崎潤一郎の映画観について
小田原で細君をゆずる
横浜のモダンボーイ&モダンガール
オペラシティとチネチッタ
河合譲治というライフスタイル
ファッションリーダーとしてのナオミ
戯曲と脚本のちがいに気づいて小説を書く
セシル・B・デミルという上流階級
『痴人の愛』という幻の映画
東の思想、西の経済

著者等紹介

樫原辰郎[カシハラタツロウ]
1964年大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科中退。在学中の1984年から1987年頃にかけて、大阪門真市の海洋堂ホビー館に関わり、組立、宣伝などに携わる。1998年に上京して脚本家をはじめ、グルメライター、映画監督、ゲーム、iOSアプリ制作などで幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のり

12
『痴人の愛』を〈空間論〉的に論じた批評かと思いきや、ややくだけたルポルタージュという感じだ。また、映画との関連や文壇状況からの肉付けが多く、その点を参考にしたい読者には非常に有益であるが、「歩く」という表題から手に取った人には、想定されるような「地図をもとに作品を再考していくような試み」は少なく拍子抜けしてしまうだろう。もっとも、当時の浅草界隈の紹介や、フローベールやドストエフスキーとの関連を考察してる箇所などはおもしろく、叙述トリックばりの「語り」に着目し、譲治のデキる振りを描き出した点も興味深かった。2016/10/26

タカラ~ム

5
昨年(2015年)に没後50年となった谷崎潤一郎。その代表的な作品のひとつが「痴人の愛」であろう。本書は、生粋の谷崎マニアである著者が、「痴人の愛」の舞台となっている様々な土地を巡りながら、作品世界を読み解くとともに、谷崎が関わってきた映像の世界について話を膨らませていく。書きたいことがありすぎて、いくつかの事柄がこぼれ落ちてしまったように思えた。第2弾、第3弾に期待が高まる。2016/05/29

たかさん

4
『痴人の愛』 舞台となった浅草から横浜にかけての紀行文と思いきや、さすがに著者の経歴、映画監督としての知識、経験があまねく披瀝され歯に衣着せない筆致は眠気を飛ばしてくれる。大文豪といわれながら谷崎潤一郎も一介のスケベ親父に過ぎず奥さんを3回変え、芥川や夏目、佐藤春夫や今東光、はたまた大坪砂男など形而下についても賑やかで楽しませてくれる。 ナオミことせい子さん、葉山三千子は後年のインタビューで背の低い谷崎に対してはケチョンケチョンだった。 白水社も堅物ではなかった。とにかく一読おすすめです。 2016/08/16

yyrn

4
谷崎潤一郎の作品は愛欲の描写が多く、教科書に載るような作品ではなかったことや、映画の「細雪」や「春琴抄」の印象からも特に読みたいとも思わなかったが、書評に惹かれて、そういえば谷崎とはどんな作家だったのかなという好奇心から手に取ってみたら、これが案外に面白い本だった。映画監督でもある作者は谷崎の作品を色々読み込んでいて、代表作とも言える「痴人の愛」にアメリカ映画の匂いを嗅ぎ取り、当時の世相と絡めながら深く解説していくところが、数多あるお固い文芸批評とは異なり、楽しい読み物となっていた。おススメです。 2016/05/18

UNI/るるるるん

3
谷崎が生きた時代を、「痴人の愛」をベースに地理、経済、他の文豪たちの作品も交えて解説。映画の手法を取り入れたという切り口には驚き、楽しくいそいそと読み進めた。筆者が谷崎信者ではなく、"関東大震災で頭でも打ったのではないかと思うくらい面白くなった"など斬るタイプなのも面白い。これはちゃんと買って、谷崎作品を読みながら再読を何度もできそうな本!2017/11/10

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