印刷という革命―ルネサンスの本と日常生活

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  • サイズ B6判/ページ数 610p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560084434
  • NDC分類 020.23
  • Cコード C0022

出版社内容情報

本とは手書き写本であったヨーロッパに印刷された本が生まれたことで、人々の暮らしや政治・宗教・経済・文学はどう変わったのか。

印刷本の誕生は西欧世界をどう変えたか

 本とは手書き写本であったヨーロッパで、十五世紀半ばに印刷本が生まれた時、社会はどう変わっていったのか。本書は印刷術の誕生から発展・定着にいたる二百年あまりの歴史を、具体的な数字やエピソード満載で描く。斬新な初期近代メディア文化史であると同時に、政治・文学・科学・芸術・経済を重層的にとらえることができる一冊である。
 そこでは、ひと握りの成功者から、落ちぶれて破産し、また異端として告発された者まで、本に命を賭けた人々の人生劇が繰り広げられる。一方で、十六世紀初頭と末との学者の蔵書数の変遷を分析するかと思えば、書籍の流通・販売経路を再構成してみせる章もあり、さらに著者と印刷業者との駆け引き・禁書や出版権をめぐる当局との攻防など、当時の本がどのように生まれ消費されていったかを、詳細に知ることができる。印刷本はコルテスやピサロの軍の蛮行に影響を与え、また印刷本だからこそなしえた科学への貢献があった。
 エラスムスの名著から政治・宗教関係のビラやパンフレット、贖宥状のような紙片まで、当時最新の医学書からいかがわしい治療法に関するハウツー本までが織りなす、めくるめく書物と印刷の興亡史。

【著者紹介】
イギリスの歴史研究者、DPhil(オクスフォード大学)。セント・アンドルーズ大学の近代史教授で、専門は宗教改革および16世紀史。著書は他にThe Invention of News: How the world came to know about itself (Yale University Press, 2014)ほか。本書は、すぐれたルネサンス研究の歴史書に贈られるフィリス・グッドハート・ゴーダン賞を受賞、またニューヨーク・タイムズの「2010年注目の100冊」にも選ばれた。

内容説明

印刷本の誕生は西欧世界をどう変えたか―印刷業者から見た宗教改革や、本がアステカ征服に与えた影響、伝染病に悩むイタリアで流行したハウツー本…。書物を中心とする印刷物が政治・経済・宗教・科学・芸術に与えた影響をいきいきと描く、新しい文化史。

目次

第1部 はじまり(印刷時代以前の書物;印刷術の発明;ルネサンスとの危険な出会い―印刷術の危機)
第2部 根づいてゆく印刷文化(書籍市場の形成;本の町ヴィッテンベルク;ルターの遺産;ニュース速報のはじまり;上品な娯楽;学校にて)
第3部 論争(論争文学;秩序を求めて;市場原理)
第4部 新世界(自然科学と探検;治療;図書館をつくる;言葉と街角)

著者等紹介

ペティグリー,アンドルー[ペティグリー,アンドルー] [Pettegree,Andrew]
イギリスの歴史研究者、DPhil(オクスフォード大学)。セント・アンドルーズ大学近代史教授で、専門は宗教改革および16世紀史。著書『印刷という革命―ルネサンスの本と日常生活』は、すぐれたルネサンス研究の歴史書に贈られるフィリス・グッドハート・ゴーダン賞を受賞、またニューヨーク・タイムズの「2010年注目の100冊」にも選ばれた

桑木野幸司[クワキノコウジ]
大阪大学准教授、専門は西洋建築史・庭園史・美術史。工学修士(東京大学:建築史)、Dottore di ricerca(ピサ大学:美術史)。第八回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いとう・しんご

8
白水社の広告きっかけ。エラスムスやルターなどの有名人と版元との駆け引き談から、楽譜出版の事始め、子供や女性の教育のための書籍の話題まで興味深いお話が満載。個人的には1466年に初のドイツ語聖書の出版があったことP63や版元がごく初期のころから権力に迎合的だったことP396なども面白いと感じました。2024/02/10

Hiroki Nishizumi

6
印刷の歴史あるいは出版物の歴史という表題の方が適しているかも。印刷によって知識が大衆のものになったことは事実だな。2019/10/09

陽香

2
201508302017/04/02

Go Extreme

1
https://claude.ai/public/artifacts/38fcfec2-5f92-4bb1-beb2-2b2b3dc1f4e7 2025/06/10

tsuyu1222

1
インターネットが広まった頃から「情報の洪水」という言葉が出るようになった。この現象は活版印刷が発明された頃(15世紀)にも起きており、数々の新しい流行(ニュース速報、個人による書物の所有、読書空間の出現、etc)に個人も国家も宗教も巻き込まれた。ICT化により個人も国家もマスコミも翻弄されている現代は「第二の情報洪水」の時代と言えるのかもしれない。2023/08/26

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