出版社内容情報
多岐にわたる資料を駆使して、一般民衆、奴隷、解放奴隷など、歴史の表には現れない庶民の生活を描き出す。
「99.5パーセント」の人々の人生
古代ローマ史はさまざまな人物の活動に彩られている。だが、著名な著作家による歴史資料は、クラウディウス帝のもとで働いていた解放奴隷に対する元老院議員たちの反感や、パルティアとの数々の戦争は記録しても、自由人の庶民が解放奴隷に対してどんな感情を抱いていたかや、戦争で捕虜となったパルティア人がどこでどんな奴隷生活を送ったかは関心の対象外だった。現存する資料は、おおむね富裕層と権力者によって、あるいは彼らのために生み出されたものだったからである。
本書は、庶民の墓碑銘や手紙、当局への訴えの書状、許可証などから、差別感情の有無、公衆浴場で発生した事件や事故、庶民の女性が携わっていた職業など、エリート層の著作家が目を向けなかった「99.5パーセント」のローマ人の視点・価値観・人生を描き出す。庶民の男女・貧民・奴隷・解放奴隷・兵士・娼婦・剣闘士・無法者にとって、世界はどのようなものだったのだろうか。
当時の文学作品がどの程度実際のローマ人の日常生活を反映しているかを考察した「資料論」も収録。
【著者紹介】
ミシガン州生まれ、ペンシルヴァニア大学でPh.Dを取得。カリフォルニア大学バークリー校で西洋古典および古代ローマ史について、1974年から30年以上にわたって教授をつとめた。同校名誉教授。専門はラテン語碑文。
内容説明
エリートでも英雄でもない人々の世界。公衆浴場は危険がいっぱい?解放奴隷はさげすまれていたのか?古典作品から金石文、パピルスなど多岐にわたる資料を駆使して描く、歴史の表には現れない人々の姿。
目次
第1章 真ん中の人々―庶民の男性
第2章 女には女の人生―庶民の女性
第3章 服従しつつ生き抜く―貧民
第4章 囚われの身で励む―奴隷
第5章 奴隷の身より解き放たれて―解放奴隷
第6章 戦いに生きる―兵士
第7章 売り物の性―娼婦
第8章 名声と死―剣闘士
第9章 無法者の世界―盗賊と海賊
著者等紹介
クナップ,ロバート[クナップ,ロバート] [Knapp,Robert]
ミシガン州生まれ、ペンシルヴァニア大学でPh.Dを取得。カリフォルニア大学バークリー校で西洋古典および古代ローマ史を担当し、1974年から30年以上にわたって教授をつとめた。同校名誉教授。専門はラテン語碑文
西村昌洋[ニシムラマサヒロ]
神戸大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科修士課程修了、京都大学博士(Ph.D.)、西洋史学専攻。現在、立命館大学非常勤講師
増永理考[マスナガマサタカ]
大阪大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科博士後期課程在学、西洋史学専攻
山下孝輔[ヤマシタコウスケ]
筑波大学人文学類卒業、京都大学大学院文学研究科博士後期課程在学、西洋史学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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