ナポレオンに背いた「黒い将軍」―忘れられた英雄アレックス・デュマ

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  • サイズ B6判/ページ数 430p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560084267
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0022

出版社内容情報

文豪デュマ・ペールの父にして、「黒人」で初めて将軍になったアレックスは、牢獄に囚われてしまう…。『モンテ・クリスト伯』のモデルとなった風雲児が生きた、革命と戦争の時代を活写する。

内容説明

文豪デュマ・ペールの父にして、「有色人種」で初めて将軍に昇進したデュマは、捕虜となって牢獄に囚われてしまう…。『モンテ・クリスト伯』のモデルとなった風雲児の数奇な生涯、「革命と戦争の時代」を活写する歴史読物!ピュリツァー賞「伝記部門」受賞作品。

目次

第1部(砂糖工場;黒人法典;ノルマン征服 ほか)
第2部(革命の夏;“血による再生”;“黒人の心臓も自由を求めて鼓動する” ほか)
第3部(遠征の指導者;「共和主義という譫言」;炎上する夢 ほか)

著者等紹介

リース,トム[リース,トム] [Reiss,Tom]
歴史学者・伝記作家。1964年ニューヨーク生まれ。ハーヴァード大学で歴史を専攻。卒業後日本に一年間滞在し、ロックバンドを結成、ヤクザ映画に出演した経験もある。ヒューストン大学でクリエイティブ・ライティングを学ぶ。『ニューヨーカー』や『ニューヨーク・タイムズ』などに寄稿多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Willie the Wildcat

55
革命期の渦中。生い立ちから心底に根付く理想を追い求めるデュマ。ナポレオンとの対峙が問いかける「義」。不遇が共通項であり、信頼が差異。前者はめぐり合わせの偶然だが、後者は築き上げた結果。歴史に名を残す名誉は、両者の「利己vs.利他」の価値観の違いを考慮するとあまり意味はない気がする。但し、デュマの現場復帰やデュマ死後の未亡人への仕打ちなど不遇な最期だが、その誇りはもれなく息子の作品の礎となった気がする。なお、奴隷制度の変遷も興味深い。婚姻、解放税を経た市民権。様々な意味でローマ帝国の末期を髣髴させる。2016/08/25

さきん

27
三銃士、モンテクリスト伯で知られる大作家デュマの父はナポレオンの幕僚で騎兵隊指揮官として活躍していた。しかも父は放蕩貴族、母はハイチ黒人奴隷。その人生は下手な小説よりずっと面白い。三銃士やモンテクリスト伯への影響が随所に見られる。ナポレオンとは不和でエジプトから帰ってきた時にナポリ王国の囚われの身になってしまい、積極的に助けてもらえず、そこで体調を崩してしまった。読む価値大なり。2018/01/07

鐵太郎

19
ルイ16世時代後半よりナポレオンが政権を執るまでのつかの間、フランスは世界に数百年先んじて人種平等政策が試みられたのだそうな。その波の中で奴隷女と侯爵の私生児であったトマ=アレキサンデル、改名してアレックス・デュマは、一兵卒としてフランス軍に入隊して中将にまで上りつめ、さまざまな軍功と伝説を作り上げます。その彼がなぜ裏切られ、ナポレオンに疎まれたのか。佐藤賢一氏の「黒い悪魔」とは違う、見事な英雄の姿が、ここにあります。これもまた、いい。2021/02/08

ゆずこまめ

11
並のフィクションよりよっぽど波乱万丈な人生。黒人の貴族、黒人の将軍。とても価値のあることだと思うので、彼の不遇な晩年が残念です。デュマ将軍本人の人生はもちろん、息子や孫が大作家になるところまで、本当によくできたフィクションのようで興奮します。2015/06/16

belier

6
文豪デュマの父親の伝記。現ハイチでフランス貴族と奴隷女性の混血として生まれ、フランスに渡った後、紆余曲折あって軍隊に入り、超人的な活躍で将軍になれた。だがナポレオンと折り合いが悪く、干された状態になる。また不運にも、のった船が難破し敵に捕らえられてイタリア南部で2年間幽閉される。帰国後には報酬も貰えず、体力も衰え、一人息子が4歳になる前に死ぬ。ナポレオンは奴隷制度を復活させ、有色人にも冷酷な政策をとった。息子は教育の機会を奪われたが父親の話も利用して文豪になり、苦労した母親は成功を見届けることができた。2024/08/26

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