出版社内容情報
第二次大戦の趨勢と戦後の支配と構造を決めた、米英ソ、日独伊の首脳たちが下した決断に至る道程を詳説する大著。
【著者紹介】
1943年生まれ。歴史家。シェフィールド大学教授。 ヒトラー、ナチス・ドイツ研究の世界的権威として、多数の受賞歴を誇り、「ナイト」に叙任されている。著書に『ヒトラー神話――第三帝国の虚像と実像』『ヒトラー 権力の本質』など。
内容説明
なぜそれぞれの「選択肢」が排除されてきたか。わずか19ヶ月のうちに、第二次大戦の帰趨と戦後の支配と構造を方向づけた「決断」を徹底検証する。ドイツ現代史の第一人者による、示唆に富む労作!解説=「決断の環境を探る」収録。
目次
第7章 ワシントンDC、一九四一年夏‐秋―ルーズヴェルト、宣戦布告なき開戦を決断
第8章 東京、一九四一年秋―日本、開戦を決断
第9章 ベルリン、一九四一年秋―ヒトラー、合衆国に宣戦布告を決断
第10章 ベルリン/東プロイセン、一九四一年夏‐秋―ヒトラー、ユダヤ人絶滅を決断
著者等紹介
カーショー,イアン[カーショー,イアン] [Kershaw,Ian]
1943年、英国オールダム生まれ。現在、シェフィールド大学教授。ドイツ現代史、ナチス・ドイツ研究の世界的な権威であり、英国勲爵士への叙勲をはじめ、数多くの学術賞を受賞している
河内隆弥[コウチタカヤ]
1935年上海生まれ。小樽商科大学卒。都銀海外支店長歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケニオミ
7
第二次世界大戦初頭、戦争当事者が下した決断に他の選択肢がなかったのかを問う内容です。下巻で扱った日本およびヒトラーのアメリカへの宣戦の決断は興味深く読みました。今まで兵士の貴い命を犠牲にして得てきた既得権を放棄するのであれば、一縷の望みにかけた日本。一縷の望みにかけたのは、米国の勧告に従うと自分の立場がなくなる軍部であった。「宣戦布告なき戦争」を進めるローズベルト。隠忍自重を続けてきたヒトラーに米国への宣戦のきっかけを与えたのは、日本の真珠湾攻撃だった。戦争の役者の役回りがよく分かる内容に大満足でした。2015/01/30
ゆずこまめ
3
日本が第二次大戦に突っ込んでいく様はまるでタチの悪いジョークのよう。絶対に負けることがわかっているのに、今あるものを手放せないしもしかしたら何とかなるかもって本気だったんだろうか。2021/06/03
T-hiro
2
原題"Fateful Choice/The Decision that Changed the World 1940-1941"下巻は、米国/ワシントンDC:ルーズヴェルト、日本/東京:東條、ドイツ/ベルリン:ヒトラー、ドイツ/ベルリン・東プロイセン:ヒトラー、の四章。1.アメリカは最後まで参戦には及び腰だった。というか、国民がそれを好まなかったので、あの手この手で戦争にならない範囲の援助をあれこれ考えざるを得なかった。真珠湾攻撃が無ければ、どうなったんだろうか。2017/07/23
Masa
0
戦争という悲惨な行為を選択した愚かな決断の背景は、一つ一つは合理的で説得的で、且つ最終的なように見えるものである。時間が無い中、その時間を有効に使ったのは米国であった。他の国は「今がその時」と矢継ぎ早に行動を起こして行き、結局その決断は愚かな選択となったのである。2015/07/16
K.C.
0
膨大な脚注や引用文献が下巻は半分を占めます。 最後の選択、ユダヤ人虐殺に向かう過程というのは、知っているようで知らないところでした。10の選択いずれも、選択といいつつ、結果として台本に載っかっているような印象がありました。2015/05/12