出版社内容情報
バッハ晩年の傑作に込められたメッセージとは? 後期バロックと初期啓蒙主義という時代の衝突から生まれた名曲を読み解く。
内容説明
バッハ晩年の傑作はどういう事情を背景に誕生したのか、そして作品に込められたメッセージとは?二つの時代の衝突から生まれた名曲を、二人の人生をもとに読み解く。
目次
パ・ド・ドゥのテーマ―バッハとフリードリヒ大王を結ぶもの
激しい気性をもたらしたもの
ホーエンツォレルン不動産
小さな見習い錬金術師
巨人兵、スパイ、鞭、そして「太っちょ」との生活
天才という刀の切れ味
処刑の証人
永遠に回転を続ける天体の音楽
醜い白鳥の子
数字の世界の芸術家
戦争と平和、そして機械仕掛けのアヒル
音楽が捧げられた夜
エピローグ―歴史の評価
著者等紹介
ゲインズ,ジェイムズ・R.[ゲインズ,ジェイムズR.] [Gaines,James R.]
1947年オハイオ州生まれ、ミシガン大学卒のアメリカのジャーナリスト。『ニューズウィーク』の記者、『タイム』『ライフ』『ピープル』の編集者・編集長を歴任した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アボット
5
J.S.バッハの伝記とも言える詳細な記述。そしてプロイセン国王の、軍隊と音楽(フルートを好む)の2重生活を送ったフリードリヒ二世の生い立ちが同時に書かれている。フリードリヒ二世の頃にはJ.S.バッハの音楽は古めかしく時代遅れとされ辛辣な批評を浴びていたことに驚いた。読みながら、バロック時代の終わりがバッハの没年とされている事を実感した。啓蒙専制君主の「啓蒙」、ドイツ語版啓蒙思想の「アウフクレールンク」、音楽の分野における「啓蒙」主義の意味がよく分からず難しい。国王になりたての頃は良い王様という感じもした。2021/10/06
takataka
0
単なるバッハ伝ではなく、フリードリッヒ大王を登場させることにより、バッハの生きた時代が文化史という視点を超えた広がりで見ることができました。2014/12/04