オオカミ―迫害から復権へ

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  • サイズ B6判/ページ数 210,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560083567
  • NDC分類 489.56
  • Cコード C0022

出版社内容情報

人間が歴史的にオオカミに投影してきたものとは何か?最新の研究に基づいた生態学的側面から文化史的側面までを幅広く紹介。

【著者紹介】
イギリスの社会人類学者。ローハンプトン大学教授。著書に『闘牛』(平凡社)がある。

内容説明

人間が抱くイメージによって、苦難の道を歩んできたオオカミ。古代から現代へと、人間がオオカミに注ぐまなざしの変遷をたどり、復活の兆しまでを幅広く紹介しながら、オオカミの本来の姿とは何かを問い、人間との未来を考える。カラー・モノクロ図版多数。

目次

1 どんな動物か―カニス・ルプス
2 どう恐れたか―狼恐怖
3 どう殺したか―狼殺戮
4 どう愛したか―狼愛好
5 ふたたび「野生」に

著者等紹介

マーヴィン,ギャリー[マーヴィン,ギャリー] [Marvin,Garry]
イギリスの社会人類学者。1952年生まれ。イースト・アングリア大学卒業後、スウォンジー大学で博士号を取得。イースト・アングリア大学、セント・アンドリュース大学、スウォンジー大学で人類学を講じ、1986年から1996年にはテレビのドキュメンタリー番組の制作にも携わった。1996年よりローハンプトン大学で教鞭をとる

南部成美[ナンブナルミ]
宮城県出身。東北大学文学部社会学科(心理学専攻)卒。大学卒業後、仙台市嘱託の心理判定員として勤務の傍ら、自然保護にも関心を持ち続け、2000年に上京。東京農工大学大学院農学研究科修了。修士(農学)。一般社団法人日本オオカミ協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

168
子ども向けの絵本だけ例にとっても悪者であることが多い狼。狼が嫌われた背景にキリスト教まで絡んでいたとは知らなかった。いろいろと魔女狩りに重なるものも感じ、どう恐れられ殺され絶滅の危機にさらされたか、古代から続く人間の勝手な誤解、偏見を読むのは本当に辛かった。でも世界には狼を愛した人種、地域もあって、どんな動物か知ると同時にどう愛されたか読むのは楽しかった。ただ、復権していくにあたってフィクションの物語が書き換えられるのは大賛成だが、保護し野生に放つというのは問題も山積みで、国によってはまだまだ難しそうだ。2014/12/13

ケニオミ

9
最近ファーリー・モウェットの「狼が語る」を読んで以来、いや、ディズニー映画「ネヴァー・クライ・ウルフ」を見て以来、オオカミの復権を願って止みません。その延長線上での本書です。オオカミがいかに絶滅の縁まで追い込まれていったのか。なぜ最近オオカミを野生に再び放つまで私たちの認識が変わって来たのか。よく分かる内容でした。知床でもオオカミを放つ話を聞いたことがありますが、実現可能なのでしょうか。オオカミのような捕食動物がいないため、猪などが跋扈するようになったのは事実ですが、人間を襲うこともあるのでしょうね。2014/07/16

ナナシ

5
オオカミというものに対して生態よりも、その歴史や背景、社会宗教法律、更には幾つかの文学作品なども交えての解説。日本のおおかみ導入にも触れていて興味深い。シートン動物記、ダンスウィズウルブズ、椋鳩十動物記などを読みその生態に触れてきたが、私にはやはり憎悪やら軽蔑よりも畏怖や美しさを感じる存在である。日本の大神信仰やら送り狼などの民間伝承によるものか。何にせよ人の心揺さぶる存在である事は確か。2015/02/25

かのこ

5
人間や、大切な家畜を襲う「害獣」として忌み嫌われてきたオオカミ。時には報奨金まで設けて駆逐し、悪意ある存在として象徴化され、時代が下れば愛好の対象にもなった。身を守るために自然の脅威と戦うことは必要だけれど、都合のいい土地に「再導入する」という表現に人間のエゴを感じた。単なる動物愛護の精神だけでは語れない問題。2014/12/01

takao

4
ふむ2024/04/29

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