高山宏セレクション〈異貌の人文学〉<br> アレゴリー―ある象徴的モードの理論

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高山宏セレクション〈異貌の人文学〉
アレゴリー―ある象徴的モードの理論

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  • サイズ B6判/ページ数 596p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560083093
  • NDC分類 901
  • Cコード C1010

出版社内容情報

アレゴリーの宇宙的スケールを絢爛と語り、「思考の仲介者」として再評価。近代のシンボル優位に対してアレゴリーの復権を謳った名著思考の仲介者=アレゴリーの復権
 18世紀の文芸理論から20世紀前半のニュー・クリティシズムに至るまで、アレゴリーは「抽象的観念を絵画的言語に移し替えたもの」でしかない、深みのない表現形式として、低い評価を与えられてきた。1964年刊行の本書は、こうしたアレゴリー蔑視、シンボル優位の風潮に異議をとなえ、表象論の新しい展開とも呼応しながら、アレゴリー復権の契機となった画期的名著である。
 ギリシャ・ローマの古典、聖書釈義から、『神曲』、『妖精の女王』、シェイクスピア、ホーソン、カフカ、さらには『一九八四年』、『蠅の王』、SFに至るまで、脈々と受け継がれたアレゴリー文学の系譜を自在に参照し、その多様なかたちを示したフレッチャーは、アレゴリーを「思考の仲介者」として評価し、その宇宙的スケールを絢爛と語っていく。テクストに体系的に註釈を加えていくモードであるアレゴリーは、宗教的、哲学的、文化的な諸信念の混淆へと向かう。アレゴリーは「放逐せず、結集させる。同時に多様な起源、多彩な知的スタイルの感覚を保持する」。多様性が様々な場面で問題となっている現在、著者がアレゴリーのモードに読み取った「思考の仲介者」の機能はさらに重要性を増している。

アンガス・フレッチャー[フレッチャー]
1930年、ニューヨーク生まれ。英文学・比較文学者。ニューヨーク市立大学特別名誉教授。著書に『アレゴリー』(64)、『思考の図像学』(71。法政大学出版局)、『アメリカ詩のための新理論』(2004)、『シェイクスピア時代における時間・空間・運動』(2007)など。

伊藤 誓[イトウ チカイ]
1951年生まれ。英文学者。東京教育大学大学院修士課程修了。首都大学東京教授。主な著書に『〈ノヴェル〉の考古学』(法政大学出版局)、訳書にアンガス・フレッチャー『思考の図像学』(法政大学出版局)、デイヴィッド・ロッジ『バフチン以後』(法政大学出版局)など。

内容説明

“思考の仲介者”アレゴリーの宇宙誌。古典古代から受け継がれたアレゴリーの魔術的な力、豊饒な世界を論じて、その宇宙的スケールを絢爛と語り、現代におけるアレゴリー復権を謳った画期的名著。

目次

序論
第1章 ダイモン的仲介者
第2章 宇宙的イメージ
第3章 シンボル的行為―前進と闘い
第4章 アレゴリー的因果律―魔術と儀式の形式
第5章 テーマ的効果―両価性、崇高、そしてピクチャレスク
第6章 精神分析学的類比―強迫観念と強迫衝動
第7章 価値と意図―アレゴリーの限界
図版集

著者等紹介

フレッチャー,アンガス[フレッチャー,アンガス] [Fletcher,Angus]
1930年、ニューヨーク生まれ。イェール大学で学士号と修士号、ハーヴァード大学で博士号を取得した。62年から68年までコロンビア大学准教授、74年までニューヨーク州立大学教授、99年までニューヨーク市立大学教授、同年同大学名誉教授。三十四歳のデビュー作『アレゴリー』(1964)などの著書がある。中世英文学、ルネサンスの詩と演劇、仮面劇、欧米の小説、アメリカ現代詩を縦横無尽に論じる博覧強記にして、精神分析学、社会学、文化人類学、科学史の該博な知識を駆使するポリマス

伊藤誓[イトウチカイ]
1951年生まれ。東京教育大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。首都大学東京名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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34

22
物理学者のスティーヴン・ワインバーグは「宇宙が理解できるように見えてくればくるほど、それはまた無意味なことに思えてくる」と述べているが、だからと言って人間が現実をアレゴリー化するのをやめることはないだろう。科学啓蒙書における物理描像とカフカの寓話世界の類似性を指摘したのはベンヤミンだったが、ハリウッドの大衆映画を持ち出すまでもなく、現代生活においてなおアレゴリーは氾濫している。本書は文学史上のモードとしてのアレゴリーに関わるものだが、より一般的な視野の下にアレゴリーを位置づけようとする野心的な著作である。2017/07/12

roughfractus02

11
聖書の正確な伝達を旨とするラテン語では、具体的なものの抽象化(メタファー)や部分による全体の指示(メトニミー)の比喩が重視され、抽象的なものの具体化(アレゴリー)は俗化と誤解を招くとされたが、イコン画に必須のアレゴリーは排除できなかった。一方、個人の感覚の学(美学、生理学)が勃興し、紙に印刷された俗語を自由に読む近代で、アレゴリーは意味以外の感覚の「仲介者」(メディア)役を担う。以上の背景から、本書はギリシャローマの神話から『蝿の王』までの文彩と歴史を「ミメーシス」から「ダイモン」への伝達の転換と捉える。2020/02/18

袖崎いたる

8
アレゴリー。だいたいメタファーやメトニミーのほうに意識が向いてた人生だったので、アレゴリーと聞いてもパッとイメージできない。つっても「あることを言って別のことを意味する」なんて説明もされてるくらいで、そんな難しいことじゃない。ややこしいのは形式を記述していこうとする点。内容はつまるところ再魔術化の話になってくる。アレゴリカルな宇宙を広げましょう。翻訳があまり良くなかった。高山宏さんの訳文の後に読んだのもあるからか、(小生意気言うと)こなれてない感がある。歯切れっちゅうか、リズムが悪いのよね汗2019/10/22

袖崎いたる

5
2周目。1周目より楽しめて一人でテンション上がってしまった。なんやかや本の内容に土地勘ができていたらしい。この本では精神分析が使われているのだけど、その理由は鏡像的なミメーシス関係があるからで、ここを掘り下げるとうまい具合にアレゴリーをイメージできるようになってる。アレゴリーにとって重要なのは「ダイモン」の概念。これがミメーシスと対になってるのよね。ここで鏡像の言い方じゃなくてフレイザーの「模倣/感染」の概念を参照、するとアレゴリーの魔術の正体も立体化したりして。3周目したいな〜チクショー!返さねばorz2019/10/23

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