出版社内容情報
誕生から、ロシア革命、スターリンへの抵抗、亡命、メキシコでの暗殺までを追う。「20世紀の社会主義」に一石を投じた大作。
【著者紹介】
英オックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジのソ連史家。3部作『レーニン 上・下』(岩波書店)、『スターリン』(未邦訳)に続く本書で、権威ある《ダフ・クーパー賞》を受賞した。ほかに『情報戦のロシア革命』(白水社)などの邦訳がある。
内容説明
「天才革命家」の光と陰。誕生から、革命運動への傾倒、流刑と亡命、レーニンとの出会い、十月革命までを精細に描く評伝。「20世紀の社会主義」に一石を投じる、英国の泰斗による注目の大作!ダフ・クーパー賞受賞作品。
目次
第1部 一八七九‐一九一三年(ブロンシュテイン一家;育ち;学校教育 ほか)
第2部 一九一四‐一九年(戦争に対する戦争;革命の設計;大西洋横断 ほか)
第3部 一九二〇‐二八年(イメージと実像;平和と戦争;崖っぷちからの帰還 ほか)
著者等紹介
サーヴィス,ロバート[サーヴィス,ロバート] [Service,Robert]
英オックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ教授(ロシア史専攻)。『トロツキー』でダフ・クーパー賞を受賞
山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年生。東京大学工学系研究科都市工学科修士課程修了。マサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了
守岡桜[モリオカサクラ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
12
「他人とコミュニケーションがとれないと生きた心地がしない人格」(86頁)。評者も電話が無料になったので、暇があれば誰かにコンタクトする癖がある。演説の癖として、レーニンは演壇をウロチョロしたが、トロツキーは動かなかった(141頁)。人の上に立つ場合、落ち着きがないと聴衆は落ち着きをなくす。合わせ鏡なのだ。トロツキーは自分の思った通りに生きた人ということだ(184頁)。なかなか難しいことだと思う。彼はすばやく考えをまとめ、考え直す暇を嫌った(218頁)。ストレートな生きざまを感じる。名声に調子に乗ったとも。2013/07/17
健
11
トロツキーを中心に10月革命や内戦の様子が細かく描かれていて、レーニンやスターリンの評伝では分からなかった空白が埋められていく感じだった。この本では、労働者や兵士を動員したり、戦場を飛び回って作戦を指導するなどトロツキーの飛び抜けた扇動力と行動力が描かれ、レーニンや他のボリシェビィキもトロツキーに頼り切っていて、彼がいなければ10月革命は成功せず、白軍との内戦にも勝てなかったことが伺える。凝縮され目まぐるしく変化する内容で、追いかけるのが大変だったけど、"超人トロツキー"みたいな所もあって中々面白かった。2021/08/27
人生ゴルディアス
2
トロツキスト、という言葉は知っていたが、トロツキーが実際にどういう人なのかは知らなかったので手を出してみた。演説と行動の天才で、十月革命にはなくてはならなかった人なのだとわかったが、そうなるとスターリン時代にどうしてあんなことになったのか、という疑問がある。それは下巻で語られるだろう。上巻は主に、非合法革命家時代からソヴィエト政権樹立まで。内容が盛りだくさん過ぎて、うまく全体像が掴みずらい。また、内容とは別に、誤字脱字が非常に多い部分がある。きっと山形浩生氏の担当箇所だろう。もはやお約束。2013/04/07
takao
1
☆「レーニン」、「スターリン」(未邦訳)に続く、三部作で、ダフ・クーパー賞受賞。 ☆ユダヤ人である点が誇張されているが、確かに、スラブ人たるスターリンと比べると、一目瞭然だな。2018/10/11
春ドーナツ
0
読書というのも、ひとつの運動として捉えることができると私は思います。 底力というか、ある程度の体力を温存していなかった場合、どうしても読み通せないことがある。とくに評伝の場合。実はこの文章は4文字で要約できる。何だと思われますか?(答え:「下巻挫折」或いは「くやしい」)2015/10/21