出版社内容情報
各地の群雄が権謀術数をめぐらせ、三国志さながらの興亡を繰り広げた軍閥混戦の時代をダイナミックに描く。
【著者紹介】
1962年鹿児島県生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業後、読売新聞入社。新潟支局、ハノイ支局勤務を経て、3度にわたり北京特派員。のちに中国総局長。現在、国際部次長。訳書に馬立誠『〈反日〉からの脱却』、同『反日』、共著に『膨張中国』(以上、中央公論新社)、『コシヒカリ物語』(社会思想社)など。
内容説明
袁世凱統治末期から張作霖爆殺まで、各地の群雄が権謀術数をめぐらせ、三国志さながらの激しい攻防を繰り広げた軍閥混戦の時代を、迫真の筆致で描き出す。
目次
金の龍
皇帝・袁世凱
中南海と紫禁城
湖南の戦い
東北王誕生
常勝将軍
第一次直隷・奉天戦争
孫文と蒋介石
第二次直隷・奉天戦争
「革命いまだ成功せず」
北洋の落日
北伐
張作霖爆殺
著者等紹介
杉山祐之[スギヤマヒロユキ]
1962年鹿児島県出身。東京外国語大学中国語学科卒業後、読売新聞社入社。新潟支局、ハノイ支局勤務ののち、三度にわたり北京特派員。中国総局長を経て、現在、国際部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フンフン
8
私は日中戦争関連の文献はほとんど読んでしまったが、軍閥時代をこれほど詳しく描いているのは初めて読んだ。筆者自身がいくら探してもないから自分で書こうと思ったと言っている通りである。しかも文章がうまい! 講談を聞いているような感じでぐいぐい引き込まれる。2025/04/08
若黎
8
清末から張作霖爆殺までの未知の中国史がわかりやすい本に出会ったと感じました。2024/09/15
筑紫の國造
8
まだ中国が統一される前から蒋介石による一応の北伐完了、そして張作霖爆殺までをドキュメント風に描いた大著にして良書。帯に「まるで三国志」とあるが、その煽りに嘘はなかった。軍閥から皇帝に成り上がった袁世凱を皮切りに、袁の配下でありなが皇帝即位に反対した実力者段祺瑞、その段に仕えて「小諸葛」の異名をとった天才軍師徐樹錚、名将呉佩孚、東北王に成り上がった張作霖…。人物はいずれも魅力的で、精彩に富んでいる。ただし、時折触れられる庶民の被害はあまりにも悲惨である。特に、共産党の煽動下での暴動は常軌を逸している。2022/07/08
BLACK無糖好き
8
清朝後の中華民国の歴史。軍閥が群雄割拠していた時代。袁世凱、段祺瑞、呉佩孚、張作霖、馮玉祥、汪兆銘、孫文、蒋介石。この時代を通しで記述した史書は珍しいようで、全体の流れを把握するのに役立つばかりか、臨場感溢れる物語風に書かれており、特に蒋介石率いる国民革命軍の北伐の様子はとても惹きつけられました。ただ、馴染みのない人達も大勢登場し、中国名特有の名前の読みが覚えられず途中でついていけなくなる箇所も多々ありました(^^;;。また、共産党が勢力を広げ始める様子も興味深く描かれています。2015/04/24
Sapporo Shiojiri
5
筆者は読売新聞にて中国特派員などを務めた記者さん。多数の日中における研究書、清朝により編纂された史書・日本の外交文書・各人物に関する文史資料[本人や関係者による回想録]など多様な史料にあたった好著。登場人物のモノローグがある以外は、本格的な民国軍閥、革命家の評伝集といったところか。地図もそれなり充実していて、軍閥闘争の様子が負いやすい(本当はもっと欲しいが、なかなか難しいのだだろう)2019/09/11