北朝鮮 14号管理所からの脱出

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  • サイズ B6判/高さ 19cm
  • 商品コード 9784560082409
  • NDC分類 302.21
  • Cコード C0036

出版社内容情報

飢えと処刑と密告が日常の「完全統制区域」(収容所)で生まれ育ち、そこから初めて脱北を果たした青年の驚愕の軌跡。

【著者紹介】
ジャーナリスト。1952年、米国ワシントン州生まれ。『ワシントン・ポスト』の特派員としてアフリカをはじめ、東欧、アジアなど、世界各国を取材した。1983~93年、ワルシャワ支局長を務めたのち、『ニューヨーク・タイムズ』を経て、『ワシントン・ポスト』東アジア総局長。現在はPBS『フロントライン』記者。

内容説明

収容所で生まれ育った脱北青年の凄絶な半生。過酷な労働と飢え、拷問、処刑、密告が日常の「完全統制区域」―。その内情を知る、世界でただ一人の脱北者シン・ドンヒョクの証言をもとに、収容所の驚くべき実態と奇跡的な脱出、そして脱北後の苦悩を、『ワシントン・ポスト』の元支局長が迫真の筆致で描く。

目次

「愛」なんて言葉は知らない
母の昼食を盗み食いする少年
学校生活
上流階級
脱走しようとした母
脱走しようとした母改訂版
このクソガキはどうしようもない
ネズミの穴にも陽の光
母の視線を避ける
反動分子のガキ〔ほか〕

著者等紹介

ハーデン,ブレイン[ハーデン,ブレイン][Harden,Blaine]
ジャーナリスト。1952年、米国ワシントン州生まれ。シラキュース大学大学院でジャーナリズムを専攻。『ワシントン・ポスト』の東アジア、東欧、サハラ以南アフリカなどの各支局長を歴任し、現在は米国PBSのドキュメンタリー番組『フロントライン』や英国『エコノミスト』のリポーターとして活躍

園部哲[ソノベサトシ]
翻訳家。一橋大学法学部卒業。ロンドン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

太田青磁

25
14号政治犯収容所に生まれた脱出者のインタビューをまとめた一冊・収容所を外部の人間が理解してくれるならば自分の嘘が贖われ人生が償われる・処刑の日シンが感じたのは恥ではなく怒り・収容所生まれが持つグロテスクな強みは希望が完全に欠落している点・人生初の自由意思による決断。密告はしない・フェンスから這い出すときの記憶はパクの身体が焦げ臭かったこと・北に残してきた人々に対する罪の意識は消えない・動物だった僕は目下進化中なんです。でも涙が出てこない。笑い声が出てこない・肉体的脱出は果たしました。心はまだ牢獄にいます2013/12/31

kawa

17
今も北朝鮮の体制にとって不都合な人々20万人が収容所に閉じ込められ筆舌に尽くせない生活をしているという。本書は、収容者の父母から出生して、何の罪もないのに20年近くそこに囚われ、奇跡的に脱出したシン・ドンヒョク氏の経験談。人間とは、かくも非情・冷酷になれるものか。無知とその現実にため息しか出ないところが情けないが、歴史を振り返れば人間の本性にそういう面があるということは疑いがない……。そこを厳しく自覚し、社会を監視し、リーダーを選ぶ必要がある。「人は環境の子」環境次第で鬼にも仏にもなるのだから。2016/10/12

kinkin

17
同じ空の下、かたや毎日大漁の食品が廃棄されているなか、北朝鮮では たった一膳の食事のために、親子同士が殴り合ったり、親や兄弟の脱走を密告しなければならない収容所の実態に驚かされる。自分以外誰も信用できない状況が生まれてから死ぬまで永久に続くということは、何をしても体験した者以外分からない。収容所内での拷問、処刑、飢えなどについて書かれた前半にはとても衝撃を受けた。まだ何万、何十万もいる収容所の人を思うと心が痛む。2014/02/01

Gummo

12
「肉体的な脱出は果たしました。しかし、心のほうはまだ牢獄の中にいます」。北朝鮮で最も苛烈な収容所で生まれ育ち、初めて脱出に成功した青年の壮絶な半生を描いた本。裏切りと密告が善行とみなされ、暴力や処刑が日常の世界。過酷な労働を課され、自由や性を収奪される。この21世紀において、日本からさほど遠くない場所に、そんな身の毛もよだつような「地獄」が存在することに驚愕しました。まるで恐ろしいおとぎ話を読んでいるかのよう。北朝鮮にこのような収容所があることを皆に知ってもらいたい、との青年の訴えが強く胸に響きました。2012/12/04

p.ntsk

9
北朝鮮14号管理所。複数ある政治犯収容所の中でも管理が厳しい所。苛酷な労働と飢え、拷問、密告、処刑。それがそこで繰り広げられている日常。生き残る為には家族さえ出し抜く。それが当たり前。我々が抱く常識的な観念なんて通用しない。これが隣国で現在進行形で展開されている現実。シン・ヒョンドク。北朝鮮14号管理所からの世界で唯一の脱北者。肉体は解放されても精神の呪縛からはいまだ解放されていない。2013/01/16

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