出版社内容情報
排斥と追放の論理が適用された、乞食、大道芸人、娼婦、死刑執行人ら下層階級の実態を探る。(書物復権)
内容説明
乞食、大道芸人、魔法使い、娼婦、死刑執行人など「都市の不名誉な人」として偏見と差別の中で生きた最下層階級の実態を、豊富な資料を駆使して描く。図版多数掲載。
目次
第1章 周辺集団とアウトサイダー
第2章 乞食とならず者、浮浪者とのらくら者
第3章 ハンセン病患者
第4章 心と頭を病む人びと
第5章 風呂屋と床屋、医者といかさま医者
第6章 大道芸人と楽士
第7章 魔法使い、占い女、狼男
第8章 ジプシー
第9章 娼婦
第10章 刑吏とその仲間
第11章 結論でなく、いかがわしい人びととまともな人びと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
刳森伸一
3
中世のケルンの古文書などを基に、当時の被差別民の生活や彼らの置かれた環境などを再現しようとしたもの。取りとめない感じも無きにしも非ずだが、図版や事例を多く挙げているので読み物としても面白い。2014/08/18
maqiso
2
中世都市ケルンの資料から、社会の周辺にいた集団や個人を抜き出している。浮浪者や娼婦を何度も追い出そうとしていたり、ある職種が時期によって褒貶されたりという事例が豊富で面白いが、まとまりは薄い。2019/04/27
Cyan
0
中世のケルンの話が主、というかほぼ。エピソードも沢山あり、読みやすくて面白いんだけど、微妙に誤字脱字が気になった(気になるくらい誤字脱字があった)2013/05/05
灰猫
0
乞食、大道芸人、魔法使い、娼婦、刑吏——中世ヨーロッパの都市において、"名誉なき"市民として迫害された人々の生活を、豊富な史料を元に浮き上がらせる書。「Skyrim」「ウィッチャー3」などの洋RPGに登場する小汚い街並みが好きなので、本書を通して、史実を元にその風景・生活・社会構造・思想の解像度を上げることができたのが大変良かった。5000円強と値は張るが、その手の創作資料としては便利だと思う。2021/08/30