猟奇博物館へようこそ―西洋近代知の暗部をめぐる旅

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猟奇博物館へようこそ―西洋近代知の暗部をめぐる旅

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  • サイズ B6判/ページ数 249,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560081860
  • NDC分類 704
  • Cコード C0022

出版社内容情報

解剖学ヴィーナス、デカルトの頭蓋骨、腐敗屍体像にカタコンベ、奇形標本……あやしくも美しい、いかがわしくも魅惑的な、あっと驚く異形のコレクション案内。

内容説明

解剖学ヴィーナス、デカルトの頭蓋骨、腐敗屍体像にカタコンベ、奇形標本…あやしくも美しい、いかがわしくも魅惑的な、あっと驚く異形のコレクション案内。

目次

ファインアーツと奇形の胎児―フランス国立自然史博物館
見世物小屋とフリーク・ショー―「つやま自然のふしぎ館」から「ピクルド・パンク」へ
視覚の迷宮から人魚まで―展覧会「むかしむかし、見世物小屋があったとさ」
「パノラマ」と猟奇的視覚.ぬくぬくとした場所でカタストロフィーを眺める
解剖学ヴィーナス―スピッツネル博士の大解剖学博物館
眠れるヴィーナス―画家ポール・デルヴォーのトラウマ
フィレンツェの街から消える美少女たち―スペコラ博物館とクレメンテ・スジーニ
スジーニの後継者たち―カレンツォーリ、カラマイ、そのジェンダー的視点
崩壊する人体のジオラマ―ガエターノ・ズンボと『死の劇場』
ズンボの礼賛者たち―サド侯爵、ゴンクール兄弟、メルヴィル、ホーソン〔ほか〕

著者等紹介

加賀野井秀一[カガノイシュウイチ]
1950年、高知市生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。同大学大学院博士前期課程修了後、パリ第8大学大学院に学ぶ。現在、中央大学理工学部教授。専門は、哲学、言語学、フランス文学、日本語論、メディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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いりあ

34
"猟奇博物館へようこそ"という題名から受ける印象とはだいぶ違うというのが読後の印象。副題の西洋近代知の暗部をめぐる旅って言うのはぴったりだと思う。パリを中心に普通の観光客は絶対に近づかない博物館を作者が独特の語り口で案内する書籍というところか。前半は、カタコンベなどのキリスト教に関連する施設や遺物についての紹介。後半が医学にまつわるホルマリン標本や蝋細工の解剖標本などについての紹介。たぶん、猟奇ではなく、驚異や好奇といった見世物小屋的発想を前面に押し出しているので、本文冒頭での言葉の方がしっくりくる。2012/07/04

藤月はな(灯れ松明の火)

26
蝋人形の所は同時期にカーの「蝋人形館の殺人」も読んでいた為に合理主義によって自己の捉え方が変えて近代科学の基礎論を作り上げたデカルトの頭蓋骨や功利主義のベンサムの蝋人形と頭のミイラ、九相図、フリークス、メメント・モリ、聖遺物を食す聖職関係者たち、骸骨で装飾された紋章などグロテスクだからこそ、人が知りたくて背徳感があった人体の不可思議さとそれに対する人間の時に熱狂的且つシニカルな視点と美術的観点から紹介した本。「開かせていただいて光栄です」のモデルともなったジョン医師は研究対象には入らなかったのだろうか?2012/11/26

HANA

21
出だしの部分が観念的だったのでこれはどうかと思ったが、猟奇博物館展示物の紹介に掛かった途端急に筆は活き活きとし一気に読み進められる。展示物は西洋の死や病に関する美術品、個人的に大好きなズンボ四部作を初めデカルトの頭蓋骨や骸骨寺をはじめ後半は主に解剖に関するものが収録されている。前半の各種はメメント・モリ、後半の解剖学などは医学の対象であると同時にやはり見世物としての一面を持っていると思うので、こういう見方は非常に正しいのではないか。読みながら『衛生博覧会を求めて』を思い出した。2012/01/12

白黒豆黄昏ぞんび

14
蝋人形やら人体模型を生で見たいのだけど、なかなかおフランスまでは行けないなあ。内臓むきだしの模型に表情があるなんて!スジーニ、ズンボ、パンソンなど興味をそそる作品が数多く紹介されていました。悪趣味と言われてもいい。とりあえず九相図くらいなら見に行けそうだ。2012/10/22

Arowana

10
奇形標本をはじめとする暗黒の歴史から、さながらフーコーのごとく西洋の「知」を眺めて回るエッセイ。装丁が美しく(モノクロ)写真入りの解説なので理解が深まり、何より読み物として面白いのでお勧めしたい。 「両肩をあらわにした女性、いやむしろ、両肩に折り返された皮膚によって両肩を剝き出しにされた女性……内臓的な恐怖と華麗」 ―ジャック・プレヴェール―2013/02/10

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