出版社内容情報
文学や映画でおなじみ、イギリスの執事やメイドなどの使用人。これらの職種に対する社会的イメージと実情を、19世紀~現代を中心に、文学や諷刺、各種記録から考察する。
内容説明
執事は二つの顔を持っている?メイドは玉の輿に乗れるのか?英国社会は歴史的に、使用人にどのようなイメージを持ってきたか、そしてその実像は?日本やアメリカで流布しているイメージとのギャップから英国文化を考える。
目次
第1章 執事―旧約聖書からハリウッド映画まで
第2章 ハウスキーパー―愛しすぎた女性たち
第3章 料理人―「きまぐれ」が歓迎されるポスト
第4章 メイド―玉の輿はありかなしか
第5章 従僕と下男―孔雀の出世
第6章 乳母―影の実力者
著者等紹介
新井潤美[アライメグミ]
1990年東京大学大学院博士課程満期退学(比較文学比較文化専攻)。中央大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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giraffer SACHIヽ(*^^*)ノ少しずつですが毎日読んでます!
17
執事やメイドに関して、知らなかったことやこれらを題材にしたたくさんの作品の引用があり、楽しめた。2017/05/28
ごへいもち
17
今まで読んだこの著者のものの中で一番読みにくかったのはなぜかな。いろいろな小説の梗概がネタバレになっていて危うかった。2012/11/23
Saiid al-Halawi
11
使用人は、ガチ階級社会当時のワーキングクラスの就職口としては条件が良かった。一般的な執事のイメージの正体は実は従僕。2014/04/13
きりぱい
11
18、9世紀の英文学で、決まって登場する執事やメイドなど使用人についての区分とその実態。実は執事ではなく従僕だった!?ウッドハウスのジーヴス、『月長石』『日の名残り』の執事、『パミラ』『レベッカ』のハウスキーパーである夫人、ディケンズ、オースティン、ハーディ、フィールディングなどなど、引用からの考察が多いけれどイメージも湧きやすく、豆知識にへえ~と物語を思い起こす。ジェイミー・オリバーやダイアナ妃の執事など現代事情にも触れる。他の著書でも階級社会について興味深く読めた新井潤美氏、本書もなかなか面白かった。2012/01/10
ミス レイン
9
執事、ハウスキーパー、料理人、メイド、従僕と下男、ナニーについての内容。ワーキングクラス出の料理人がどうして晩餐会用料理が作れるのか、コックニーのナニーが育てた貴族の子供はどうなるのか、そんな長年漠然と抱いていた疑問に答えが得られ面白かった。使用人は、主人にとってステイタス表現としての一面もあるというのに、当の使用人は使用人としての矜持を持っていたりする。そこは、現代や当国以外の感覚では恐らく本当の意味で理解するのは難しいことと思う。ハーブのベニシアさんのご実家もひっそり例として取り上げられていて驚いた。2021/01/11
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