内容説明
第55回岸田國士戯曲賞受賞作品。母親と息子の関係をサンプリングする、愉快な考察劇(『自慢の息子』)。「名づける」という行為がはらむポストコロニアルな物語―表題作のほか、『家族の肖像』を併録。
著者等紹介
松井周[マツイシュウ]
1972年、東京都出身。劇団「サンプル」主宰。1996年に平田オリザ率いる劇団「青年団」に俳優として入団。その後、作家・演出家としても活動をはじめ、青年団若手自主企画公演『通過』(第9回日本劇作家協会新人戯曲賞入賞)、『ワールドプレミア』(第11回同賞入賞)、『地下室』、『シフト』を経て、2007年9月『カロリー消費』で正式に劇団名を「サンプル」として、青年団から独立する。都内の劇場で作品を発表しつつ、フェスティバル/トーキョー09や精華演劇祭などにも参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しゅん
6
引きこもりの夢想と近親相姦のイメージが絡まり合う「自慢の息子」、スーパーで働く人たちを中心に崩壊寸前の関係を描く「家族の肖像」。わかりやすい変化がないから、光の差し込むようなポジティヴィティは入り込む余地がないし湿った沼のなかで這いつくばっている感じが終始続く。そんな壊れた状態を壊れたままで肯定できるかというある種の実験。グーチョキパーのように各人物に強い相手と弱い相手がいて、関係性自体にエロさが含まれている。つまりSM。壊れていることの肯定とサドマゾヒズムへの視点という点は『春琴抄』に近いかもしれない。2016/11/16
ふう
6
サンプル松井周の第55回岸田國士戯曲賞受賞作。布が効果的に使われただろうことが想像できる舞台(併録の「家族の肖像」では弁当かな)。禁断の関係を紡ぐ男女が閉じた王国で繰り広げる家族劇ってことでいいのか?。この王国って家庭ってことなのか?。全編思わせぶりなモチーフと行動に満ちており、わかりやすいようなわかりにくいような感触。収録された二編とも家族やカップルという塊が1対1で「え?」「え?」とやりあうがあんまり面白いとは思えず。お芝居っぽいなって感じ(結局曖昧)。2016/04/11
りえこ
4
色々な出来事の断片。ぷつぷつ切れるようで、繋がっている。2013/02/28
はにに
1
時々くすっ。全体に人が不安定な印象。あとがき(物語とは。同/違の認識が新しい一歩。)に頷く。2012/11/09
たっつぁん
1
サンプルの公演「ゲヘナにて」を観劇後、読んでみた。正直公演観た直後は、ちょっと難解で読むのを躊躇したが思ったより理解できたし面白かった。すごく戯曲として読みやすいしわかりやすいし、意味を咀嚼しやすい。特に表題の「自慢の息子」の方が面白かった。2011/08/16




