囁きと密告〈下〉―スターリン時代の家族の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 540,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560081280
  • NDC分類 238.07
  • Cコード C0022

出版社内容情報

スターリンのテロルを生き延びた、数百家族の手紙、日記、文書、写真とインタビューにより、封印された「肉声」が甦る。胸を打つ「オーラル・ヒストリー」の決定版。沼野恭子氏推薦!

内容説明

圧倒的な恐怖を前にして人々は口をつぐむか囁きあうかしかなかった。恐ろしいのは「善良なふつうの市民」が全体主義体制に組みこまれていくプロセスだ。歴史学者ファイジズはそのからくりを見事に解きほぐしてみせた。封印された「肉声」が甦る、もうひとつの「20世紀ロシア史」。

目次

第5章 子供たちの運命―一九三八~四一年
第6章 『待っていてくれ』―一九四一~四五年
第7章 平凡なスターリン主義者たち―一九四五~五三年
第8章 帰還―一九五三~五六年
第9章 記憶―一九五六~二〇〇六年

著者等紹介

ファイジズ,オーランドー[ファイジズ,オーランドー][Figes,Orlando]
1959年生まれ。ロンドン大学バークベック・カレッジの歴史学主任教授(ロシア史専攻)。ロシアとソ連の歴史に関する大作を次々に発表

染谷徹[ソメヤトオル]
1940年生。東京外国語大学ロシア語科卒。ロシア政治史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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syaori

67
下巻は、第二次大戦・スターリンの死を中心にソ連崩壊後まで。本巻でも体制の抑圧に人々がいかに順応し葛藤したかが豊富な証言から積み上げられ、当時の空気も感じられるよう。どんなに善良な人間でも密告者になり得ると皆が諦観していた社会の中で、粛清の影響を受けず政治に無関心だった大多数のほか、抑圧されてなおソヴィエトの理想を堅持した人、生きるために道徳的妥協をした人、しかし自身の倫理を維持した人など様々な人生と反応があり、その積み重ねから一つの時代が、また人間の複雑さや業が浮き上がってくるようで深い感慨がありました。2022/05/27

和泉花

2
若い頃のシモーノフがなかなかの気持ち悪さ…だけど、晩年、自分の人生を振り返ったのは勇気がいったことだったろう。2022/04/16

BLACK無糖好き

1
"私は成人して以来ずっと恐怖の中で生きてきた。そして2004年の今も、恐怖を感じている。多分、死ぬまでこの恐怖を抱えたまま生きることになるだろう。"(p446) 反体制派として労働収容所での経験を経た元囚人のこの不安は、スターリン時代を生きた多くの人が共有している。戦争が始まると市民が開放感を感じる程の抑圧された社会で、市民がいかに生きてきたか、また粛清されてきたか、この過酷さはもう何とも言いようがない。開放感に包まれるエンディングの素晴らしさに読後しばし放心状態となりました。2015/01/04

かじ

1
しんどかった……やっぱり下巻も1か月かけてしまった。心の中では囁き続けていたが声には決して出すことのできなかった、自分が自分であることの証を、人々がやっと口にすることができる時代が来た。そしてこのソ連の歴史のような経験をしている人々はまだ、世界には数多いるはずなのである。ロシアだけでなく。2014/07/06

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