内容説明
1941年、インド。お嬢さまとして何不自由なく育ったヴィドヤは、尊敬する父親が重いけがを負ったことで生活が一変、苦しみの日々を送るようになる。しかし、禁じられた図書室にしのび込んだことから、希望を見いだしていく…。2009年全米図書館協会「ヤングアダルトのためのベストブックス」ボストン作家協会賞受賞。
著者等紹介
ヴェンカトラマン,パドマ[ヴェンカトラマン,パドマ][Venkatraman,Padma]
インド、チェンナイ生まれ。父方の祖父が法学者、母が弁護士という家庭に生まれ、子どものころから科学・数学と文学の双方に関心を持つ。アメリカのウィリアム・アンド・メアリー大学で海洋学の学位をとり、キール大学海洋研究所、ジョンズ・ホプキンス大学の研究員ほか、研究生活をへて作家となる。アメリカ在住。『図書室からはじまる愛』が2009年に、ボストン作家協会賞受賞、および全米図書館協会「ヤングアダルトのためのベストブックス」に選ばれた
小梨直[コナシナオ]
東京生まれ。上智大学外国語学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
56
安易に付けた題で価値減…原題は「階段を上がる」移動車中1時間チョイで読了。舞台は第二次大戦最中の英支配下の印。ヒロインは10代前半の少女、兄は大学受験前。医師の父、取り巻く伯父一家、祖父等との葛藤。流れも背景も単純すぎるが解説でYAとあり納得。複雑な国際情勢に加え、ヒンドゥー教の戒律、カースト制等がんじがらめの因習。我国の同時期と比せば しがらみで身動きが取れない状況。少女が現状に甘んぜずステップアップを夢するのはパステル調でヤワヤワ。父の在り方が哀し過ぎる。中学生向け故に、異なる社会を知る学びにはなる2024/08/02
ぶんこ
45
15歳のヴィドヤの父はインド独立デモで宗主国警察からの暴力による頭の怪我で認知機能をうしなう。きっかけを作ったヴィドヤは罪悪感にかられるも、生来の勝気な性格から周囲との衝突が絶えない。父を「死んだ人、廃人」と言ってしまう娘の気持ちが切ないと思いつつ共感できず。家庭内でも2階に男性、1階に女性。カースト最上級のヴィドヤの祖父の家でも、居候のヴィドヤ一家の女性陣は(ゴザ)で寝るなど、インドは理解できない世界だというのが実感。著者の母親がモデルなのでしょうか。こういう時代で大学進学の意思を貫いたのは天晴れ。2018/06/01
かもめ通信
20
図書室という言葉と舞台がインドであるという点に惹かれて手にした本。原題は『Climbing the Stairs』。 舞台は1940年代初頭のインド。読者は十代の女性の目を通して、祖国の独立、戦争、正義、女性と教育といった様々な問題と向き合うことになる。 これはあたりだった!!ただし読み終えてみると、読みやすく躍動感あるいい訳なだけに邦題にちょっと残念感も。2014/10/27
シェラ
20
戦時下のインド、あまりなじみがなかったのですが、どの国にも戦争の悲劇はつきまといますね。お祖父さんの図書室の静謐な雰囲気が良かったです。そこから自立していく主人公に未来を感じます。2011/02/18
AKI
19
登録の為に再読しましたが、名著だと思います。第二次世界対戦中のイギリス支配下のインドを舞台に、15歳の少女ヴィドヤが感じたイギリス支配下に置かれ不当な差別をうけるインド人、また同じインド人同士の中にもある家族間格差や、女性差別などが伝わってきました。とはいってもヴィドヤの一族はインドのカースト制度の中の最高位の一族なので、カースト制度の下層に位置する人々から見たら贅沢で幸せなのかもしれませんが。女性が学びたい!本を読みたい!と声に出す事が出来る幸せをしみじみと感じました。ヴィドヤが憧れた自由の国の今は??2019/08/18




