内容説明
日本人が、まだ知らないアラキ。31枚の写真をめぐる、31の物語。
目次
「私小説」
三ノ輪のオイディプス
燃えさかる空に咲く花火
日本零年
京都のコカコーラ1
京都のコカコーラ2
ネオレアリズモ1―『さっちん』
ネオレアリズモ2―女たちの肖像
センチメンタルな旅1
センチメンタルな旅2〔ほか〕
著者等紹介
フォレスト,フィリップ[フォレスト,フィリップ][Forest,Philippe]
1962年パリ生まれ。パリ政治学院卒。文学博士。現在、ナント大学文学部教授、比較文学の教鞭をとる。シュルレアリスムやテル・ケルについて、また大江健三郎をはじめ日本文学についての卓越した批評家でもある。自伝や私小説などに関しても独創的で鋭い考察を重ねている。小説第一作『永遠の子ども』(集英社)でフェミナ賞処女作賞、また『さりながら』(白水社)で12月賞を受賞している
澤田直[サワダナオ]
1959年、東京生まれ。パリ第一大学哲学科博士課程修了(哲学博士)。立教大学文学部教授。フランス現代思想、フランス語圏文学
小黒昌文[オグロマサフミ]
1974年、東京生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学(文学博士)。同志社大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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R氏
5
内の要素を絡めつつも、徹底した外からのぶれない視点が美しく、ざわめきすらも受け付けない静謐さがあると思った。それは荒木の写真に共通する「喪」なのではないか、とも。荒木と同様に親近者を早くに亡くした著者が、時に自分を重ねながら道を辿る文章がとても哀切である。剥き出しの欲望を薄く覆う「喪」、荒木の写真を見て改めてそのように思わされた。読後、ぽこりぽこりと何かが沸き立つ本。 2010/02/12
takao
2
ふむ2025/01/13
TOMYTOMY
2
ロッセリーニ、ゴダール、アラーキーだと何だか居心地の悪さを感じたが、読後は何とも新しいアラーキー入門書である。日本人によるものでない、彼の批評は私たちに新しい気づきを与えてくれると思う。 強い言葉や生=性を生きるアラーキーに何度も管を巻かれてきたが、このような体系ずけで論が展開されてると、彼の意図が見えてくると共に、アラーキーのマジシャンぶりが垣間見れる。彼のコミカライズされた自画像のサインが呪術の印のように、メリエスは手品として映画を製作していたのをなぞるように。 アラーキー我々はまんまとやられている2018/03/26
eMI-sAN
2
★★★★☆【2009】フランス人作家による荒木経惟論。芸術史も絡めた文章で、とても勉強になった。●ロベルト・ロッセリーニ(映画監督)。ネオレアリズモ。ヌーヴェル・ヴァーグ。2015/12/25
yooou
1
☆☆☆★★ やや期待はずれでした。荒木経惟写真全集をひっぱりだしてきて再読してます2010/01/11