感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴかぽん
2
最近のドストエフスキー研究は哲学・イデオロギーに関心を絞り込みすぎた過去の反省から、純粋に作品の技法や形式の研究、ユーモアや滑稽など今まで軽視されてきた要素の研究など、作品に凝縮されている強烈な思想・哲学について直接対峙しようとしない研究が見受けられる。しかし、いかに作者が多彩で複雑怪奇なカオス的芸術家であろうと、主人公の言葉として直接明確に吐き出されている哲学の炎をドストエフスキーの本質と捉えないことは、いささか捻くれているのではないか。そう考え直させてくれる良書。基本書は自力で読むに限る。名著です。2018/11/05
KN
0
名著。おすすめ度1002023/01/20
海
0
ベルジャーエフがドストエフスキーの思想として感じ取った彼自身の思想を書いた本、といってそう間違ってはいないと思う。根幹になるのはアウグスティヌスの自由の概念である。悪いことをする自由があることで、初めて悪いものから自由になって善をなすことができる。バフチンのポリフォニー論の源はこのへんにあるんじゃなかろうか。2022/10/08