内容説明
惜しくも急逝したグラフィックデザイン界の巨匠が、自らの生涯を振り返りながら、グラフィックデザインの歴史とその社会的役割、関西と東京との文化的差異、時代の古典に対する認識など、数多くの提言を盛り込んだ、日本グラフィックデザイン史の副読本。
目次
故郷
アトリエ座
大阪
Aクラブ
上京
ライトパブリシティ
日本デザインセンター
初めてのニューヨーク
新たな道
建築デザインとの出会い〔ほか〕
著者等紹介
田中一光[タナカイッコウ]
1930年生まれ。京都市立美術専門学校(現・京都市立芸術大学)卒。ライトパブリシティ、日本デザインセンターを経て、1963年田中一光デザイン室を主宰。2002年1月死去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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とんこつ
5
日本デザインの黎明期(図案からデザインへ)を知ることができるとともに、戦後日本の変遷も文化的な側面から知ることができたのも良かった。無印や西武紙袋などのデザインは有名だけれど、その他にも数え切れないほどの仕事をしていたことにも驚いた。それらの作品から一光さんの存在を連想しないところに、氏の裏方に徹する精神が伺えもする。衣食住に「遊」を付け足したり、マンハッタンの高層ビルの先には未来がないという指摘だったり、関西と関東の文化的な差異への考察など、氏の視点は示唆に富んでいる。2020/03/07
かりなあんな
3
もう5年以上前,友人達と田中一光の回顧展?を見に行った時の衝撃はすごかった。色が印象的だった。巨匠!!!!2010/05/14
うりぼう
2
デザインって、面白い。2008/11/12
orange21
1
田中一光の出生から00年代までを本人の筆で語る。本人の経験を語りながらもその視線は常に、日本と日本のグラフィックデザイン、また日本から見た世界のグラフィックデザインを意識している。だからその時の情勢が感じられてなるほどと思う。五十年代は大阪から東京へ行くのに夜行列車で、しかも旅行許可証がなければ行けなかったという。六十年代は海外に行くのもパスポートは一回使い切りで外務省などに特別の許可を得て一日分の外貨など厳しい制限があった。そんな中で田中は常に最先端の情報を得て、八十年代には世界の最先端に立つ事になる2017/08/04
ナジィ
0
西武百貨店の包み紙や、無印良品のデザインなど、今も目にしますね。2015/12/26