出版社内容情報
ぼくの家族はみな他人にはいえない秘密をもっていた。変わり者で、リュックを背負い、甲羅をつけた昆虫を思わせる父親。夜は姿を消し箱の中で眠るという母親は、皮膚に針を刺して水を絞りだす。喘息を治すためミミズを食べる妹は横暴で、ぼくを馬鹿にしきっている。二階の住人で妹の婚約者は医者にも探偵にもなり、天井に貼りつき床を這いまわる。廊下に住む檳榔(びんろう)売りの女は実は叔母で、かつて父と密通していたらしい。異形の家族の奇妙な日々と、鳴りわたるような孤独を超現実的手法で描き、作者が「難解ではあるが、とりわけ好きな作品」と語る表題中篇。夜、草地の外れに建つ家にたどりついた〝わたし〟が陥るカフカ的な不条理状況を綴った「帰り道」。ある日、母親がたらいの水に溶けてしまう「汚水の上の石?の泡」ほか全五篇。付録として「残雪との対談」、近藤直子「夜の涯の家――「帰り道」を読む」を併録。
【目次】
内容説明
ぼくの家族はみな他人にはいえない秘密をもっていた。変わり者で、リュックを背負い、甲羅をつけた昆虫を思わせる父親。夜は姿を消し、箱の中で眠るという母親は皮膚に針を刺して水を絞りだす。喘息を治すためにミミズを食べる妹は横暴で、ぼくを馬鹿にしきっている。二階の住人で妹の婚約者は変幻自在、医者にも探偵にもなる。廊下に住む檳榔売りの女は実は叔母で、かつて父と密通していたらしい。異形の家族の奇妙な関係性を超現実的手法で描いた表題中篇ほか全5篇。付録として「残雪との対談」他を併録。
著者等紹介
残雪[ツァンシュエ]
1953年、中国湖南省長沙市に生まれる。湖南日報社社長を務めた父親が1957年に「右派」認定、追放され、20年にわたり一家は様々な迫害を受ける。文化大革命の下、中学へは行けずに父が収監された監獄近くの部屋で一人暮らしを強いられた。医療従事、工場勤務、結婚を経て、1980年代に創作を開始、雑誌に短篇を発表。『黄泥街』(86。白水社)は第一長篇。その作品は英語、日本語をはじめ各国語に翻訳され、世界的な評価を得ている
近藤直子[コンドウナオコ]
1950年、新潟県生まれ。中国文学者。東京外国語大学英米語学科卒、東京都立大学大学院修士課程修了。日本大学文理学部中国語中国文化学科教授。2015年死去
鷲巣益美[ワシズマスミ]
1964年、静岡県生まれ。愛知大学文学部卒、東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。専攻は中国現代文学。明治学院・中央大学・慶應大学等非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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