出版社内容情報
ニュー・アカデミー文学賞を受賞した、世界に誇るフランコフォン作家マリーズ・コンデの少女時代のメモワール。今年4月に他界した作家への追悼出版。
内容説明
フランスの植民地だったカリブ海のグアドループ。裕福な黒人家庭の8人兄弟の末子に生まれ、“貧しい黒人”のようにはならないように家ではクレオール語を使わず、何でもフランス式が最高なのだとして育てられた少女が、日常生活のなかで黒人の歴史を知るすべがないまま時に白人少女から差別を受け、留学先のパリで出会った友人や書物によって、本物の人生に目覚めていくメモワール。ユルスナール賞受賞作。
著者等紹介
コンデ,マリーズ[コンデ,マリーズ] [Cond´e,Maryse]
1934年、カリブ海のフランス領(現海外県)グアドループ生まれ。16歳でパリへ渡り、ソルボンヌ大学で学ぶ。59年にアフリカへ。コートジボワール、ギニア、ガーナ、セネガルと12年におよぶアフリカ滞在の後、パリに戻り75年に比較文学で博士号取得。76年『ヘレマコノン』で小説家デビュー。以後、精力的に作品を発表。本書でユルスナール賞、2018年にニュー・アカデミー文学賞、21年にチーノ・デル・ドゥーカ世界賞を受賞するなど、多数の文学賞を受賞。また、“奴隷制を記憶するための委員会”の委員長として当時のシラク大統領に働きかけ、06年に“奴線制廃止記念日”が制定されるなど社会活動にも尽力した。24年4月2日逝去。同月15日にフランス国立図書館で追悼式典が開かれた
くぼたのぞみ[クボタノゾミ]
1950年、北海道生まれ。翻訳家・詩人。80年代からアフリカ系/発の作家の作品を翻訳紹介(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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