出版社内容情報
寒村の孤独、親の介護、挫かれた学業、妻の病……ニューイングランドの厳冬に生を閉ざされた主人公を襲う苦難と、その果ての悲劇を精緻な技巧で描く。
内容説明
マサチューセッツ州スタークフィールドで冬を過ごすことになった語り手の「私」は、足をひきずった寡黙な男をたびたび見かけていた。聞くに、イーサン・フロムなるこの土地の男で、かつてひどい「激突」を起こして以来、足が不自由になったのだという。思いがけず「私」はフロムに馬橇で駅まで毎日送迎してもらうことになるが、ある晩、ふたりは帰り道に吹雪に巻き込まれ、フロムは途上にある自宅に「私」を招き入れる。そこで「私」が目にしたものとは―。寒村の孤独、親の介護、挫かれた学業、妻の病…厳冬に生を閉ざされた主人公フロムを襲う苦難、そんな日々に射し込んだささやかな幸福、その果ての悲劇を精緻な技巧で描くアメリカ文学の古典。待望の新訳。
著者等紹介
ウォートン,イーディス[ウォートン,イーディス] [Wharton,Edith]
1862‐1937。ニューヨークの裕福な家だったジョーンズ家に生まれる。1885年にボストンの同じく名家出身だったエドワード・ウォートンと結婚し、1913年に離婚するものの、作品はイーディス・ウォートンの名で発表した。庭園やインテリアのデザイナーとしても活躍し、自ら建物や庭をデザインした邸宅「ザ・マウント」は、現在、米国国定歴史建造物に指定されている。1911年に永住の地となるフランスへ移住し、第一次世界大戦が勃発してからは、難民や負傷兵への支援を行った。詩作や短篇小説の創作は十代の頃から行っていたものの、小説家として最初の長篇小説『決断の谷』を刊行したのは1902年、40歳でのことだった。三度のノーベル文学賞の候補に名前が挙がるも、75歳で死去
宮澤優樹[ミヤザワユウキ]
1988年北海道稚内市生まれ。北海道大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。現在、金沢大学人間社会研究域准教授。イーディス・ウォートンとその盟友ヘンリー・ジェイムズの作品を中心に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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