出版社内容情報
18世紀ロンドンで建設中の七つの教会に異端建築家が仕掛けた企みと現代の少年連続殺人の謎。過去と現在が交錯する都市迷宮小説。
内容説明
18世紀初め、ロンドン大火後の都市計画の一環として建設中の七つの教会に異端の聖堂建築家ニコラス・ダイアーが秘かに仕掛けた企みとは。一方、現代のロンドンでは教会周辺で少年ばかりを狙った連続殺人が発生、手掛かりもないまま深まる謎に、捜査を指揮するホークスムア警視正は次第に事件の奥に潜む闇に呑み込まれていく。円環する時間と重層する空間、魔都ロンドンの過去と現在が交錯する都市迷宮小説。ウィットブレッド賞・ガーディアン小説賞受賞作。
著者等紹介
アクロイド,ピーター[アクロイド,ピーター] [Ackroyd,Peter]
イギリスの小説家・伝記作家・批評家。1949年、ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学卒業後、イェール大学特別研究員を経て“スペクテイター”誌編集者となり、書評・評論・詩など旺盛な執筆活動を開始し、1982年、小説第一作『ロンドンの大火』を発表。主に歴史的事件や人物に取材した作品で数々の文学賞に輝いている
矢野浩三郎[ヤノコウザブロウ]
翻訳家。1936年生まれ。明治大学文学部卒業後、出版社、海外著作権エージェンシー勤務を経て、矢野著作権事務所を設立(現・日本ユニ・エージェンシー)。ミステリ・怪奇幻想文学を中心に翻訳家としても活躍。2006年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
ロンドン市内に七つの教会を建てる計画。その設計者が秘かにそこに仕掛けたあるものとは。一方250年後の現代ではその教会の周囲で発生する少年のみを狙った殺人を追う刑事。という二つの物語が交互に語られる。これだけを見るとオカルトミステリであるが、読んでいるとロンドンの霧の中に迷い込んだようで漠とした感覚しか抱けなくなる。ただその霧の中ですれ違う数多のイメージは非常に蠱惑的。他所のレビューでアラン・ムーアの『フロム・ヘル』を連想させ解説では倫敦版帝都物語とあるが、文字の魔力で紙上に魔都を再現させた傑作である。2024/08/10
まどの一哉
3
科学を信じず魔教を信仰する教会建築家ダイアー。彼を主人公とする過去の物語。そして少年の遺体が教会で発見され、事件を追う警視正ホークスムア。彼を主人公とする現代の物語。 この2つの物語が交代に登場する仕掛けになっているが、この過去と現代のつながりは、わかりやすい形では書かれていない。個々の話自体は独立して面白い。 2024/08/05
み
0
第一部が読みにくくてなかなか進まなかった。闇の魔術に囚われた建築家の語る過去の部分と、現在のロンドンで起こる殺人事件が交代に著述され、それがリンクして、最後はある意味混ぜこぜになってしまったような感じ。時間的にも地理的にも重層的になっているところが面白いのだと思うが、読むのが大変だった割に得るものが少なかった(私には向いていないという意味で)。2024/10/16
isbm
0
★★☆2024/01/08
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