白水Uブックス 海外小説永遠の本棚<br> 旅に出る時ほほえみを

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旅に出る時ほほえみを

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  • サイズ B40判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560072288
  • NDC分類 983
  • Cコード C0297

出版社内容情報

心優しき怪獣は歌う、《人間》のために――

 《人間》が怪獣をつくりだした――合金の骨格に緑色の人工血液、生肉を動力源とする鉄製の怪獣17Pは、削岩機で地中を自由に動きまわり、また拙いながら人間のことばも話した。20年の歳月を費やして怪獣を創造した《人間》――有名な設計家は、自ら怪獣に乗り込み、地下潜行試験を繰り返していた。人々は彼を称え、首相は《人間》に怪獣創造者の称号と勲章を与えたが、彼の関心は地位や名誉ではなく、科学と人類の可能性に向けられていた。一方、市内では労働者のストライキが発生、これを武力で鎮圧した首相は国家総統となり、独裁体制を推し進める。政治とは距離をおく《人間》も無関係ではいられなかった。独裁者の総統が彼にあたえた運命とは?「旅に出る時ほほえみを……二度と帰らぬ旅だもの……」人の痛みを知る鉄製怪獣の歌う声が心に響く、現代のおとぎばなし。

内容説明

“人間”が怪獣をつくりだした。合金の骨格に緑色の人工血液、生肉を動力源とする鉄製の怪獣17Pは、前肢の鑿岩機で地中を進み、また拙いながら人間のことばも話した。怪獣を創造した科学者、“人間”は自ら怪獣に乗りこみ、地下潜行試験を繰り返していた。一方、市内で発生したストライキを鎮圧した国家総統は独裁体制を推し進める。「旅に出る時ほほえみを…」金属製の怪獣の歌う声が心に響く、現代のおとぎ話。

著者等紹介

ソコローワ,ナターリヤ[ソコローワ,ナターリヤ] [Соколова,Наталья]
1916年、オデッサで生まれる。父親は劇作家、母親は女優で、叔母に文芸批評家のリディア・ギンズブルグがいる。モスクワのゴーリキイ文学大学を卒業後、文芸評論家、作家、ジャーナリストとなる。2002年死去

草鹿外吉[クサカソトキチ]
1928年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。日本福祉大学教授。ロシア文学者・詩人・小説家。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

118
世界に浸りきり、ため息。半世紀前に書かれた現代の御伽噺。SFとするならば、かぐや姫もSFであるのだから。オデッサ出身の彼女は、ロシア人か ウクライナの人なのか。躊躇いもせずに選ぶ片腕の運命と、伴侶の如き異形のものへの愛。彼のロシナンテの今後はどうであろうとも、彼の周りを囲む人達の不服従の精神は、作家の心の持ち方なのだろう。強くて美しい。「ひきとめるものがあるんなら…それを信じたまえ」《人間》2020/06/13

ヘラジカ

45
幻想性と寓話的な面を持ちながら、痛烈な社会風刺ときめ細やかな描写により独特な現実感も醸し出されている。素晴らしく美しい最終章は色々な読み解き方ができそうだ。固有名詞を持たない登場人物と妖精の名を持つルサールカの違いは何か、終盤に出てくる鏡像のような旅人の意味とは……詳しい解説が欲しいところ。確かにロシアのSF小説はサイエンス・フィクションというよりも「科学空想小説」と言うに相応しいかもしれない。ストルガルツキィからペレーヴィン、ソローキンまで、今も昔も変わらず。2020/01/23

あさうみ

43
SFとしても読め、社会風刺としても印象深い。無性に泣きたくなる。兵器にもなりうる怪物を作り上げた孤独な科学者「人間」。自分の探究心に従って科学を求めた彼は、独裁社会の闇にのまれていく。恐怖と死の狭間で誠実を貫く姿勢が胸にせまる。自分が同じ境遇になったとき、この選択をできるだろうか。考えさせる。読んで、良かった。2020/02/04

KI

33
より良い未来を創るために、今が存在してるわけじゃない。僕は良い過去を積み重ねていきたいんだ。2020/07/10

田氏

20
1965年ソ連製SF、作中での自称は「20世紀のおとぎ話」。地中を潜航し、知能ももつ「怪物」を作り上げた設計士《人間》の人生が、独裁政権の発足によって大きく揺さぶられる。著者の出身地が現ウクライナのオデッサということもあって、現実の政情と重ねてしまいたくなるところだが、そこは踏みとどまりたい。というのは、文中に「特定の個人は不正をすることはできないのに、みんな集まると不正が始まるのを、どうすればいい?(意訳)」という一節があるからだ。「みんな」に特定他者だけ代入したり、自分たちだけ除外していい道理はない。2022/06/16

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