出版社内容情報
心優しき怪獣は歌う、《人間》のために――
《人間》が怪獣をつくりだした――合金の骨格に緑色の人工血液、生肉を動力源とする鉄製の怪獣17Pは、削岩機で地中を自由に動きまわり、また拙いながら人間のことばも話した。20年の歳月を費やして怪獣を創造した《人間》――有名な設計家は、自ら怪獣に乗り込み、地下潜行試験を繰り返していた。人々は彼を称え、首相は《人間》に怪獣創造者の称号と勲章を与えたが、彼の関心は地位や名誉ではなく、科学と人類の可能性に向けられていた。一方、市内では労働者のストライキが発生、これを武力で鎮圧した首相は国家総統となり、独裁体制を推し進める。政治とは距離をおく《人間》も無関係ではいられなかった。独裁者の総統が彼にあたえた運命とは?「旅に出る時ほほえみを……二度と帰らぬ旅だもの……」人の痛みを知る鉄製怪獣の歌う声が心に響く、現代のおとぎばなし。
内容説明
“人間”が怪獣をつくりだした。合金の骨格に緑色の人工血液、生肉を動力源とする鉄製の怪獣17Pは、前肢の鑿岩機で地中を進み、また拙いながら人間のことばも話した。怪獣を創造した科学者、“人間”は自ら怪獣に乗りこみ、地下潜行試験を繰り返していた。一方、市内で発生したストライキを鎮圧した国家総統は独裁体制を推し進める。「旅に出る時ほほえみを…」金属製の怪獣の歌う声が心に響く、現代のおとぎ話。
著者等紹介
ソコローワ,ナターリヤ[ソコローワ,ナターリヤ] [Соколова,Наталья]
1916年、オデッサで生まれる。父親は劇作家、母親は女優で、叔母に文芸批評家のリディア・ギンズブルグがいる。モスクワのゴーリキイ文学大学を卒業後、文芸評論家、作家、ジャーナリストとなる。2002年死去
草鹿外吉[クサカソトキチ]
1928年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。日本福祉大学教授。ロシア文学者・詩人・小説家。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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