白水Uブックス<br> 不在の騎士―我々の祖先

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白水Uブックス
不在の騎士―我々の祖先

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  • サイズ B40判/ページ数 220p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560072103
  • NDC分類 973
  • Cコード C0297

出版社内容情報

勇猛果敢な騎士アジルールフォの甲冑の中は空っぽだった。騎士の資格を疑われて証をたてる旅に出た〈不在の騎士〉の奇想天外な冒険譚鎧の中はからっぽ――奇想天外な騎士道物語
 時は中世、シャルルマーニュ大帝の軍勢に、サラセン軍との戦争で数々の武勲を立てた騎士アジルールフォがいた。戦場にあっては勇猛果敢、謹厳極まる務めぶりで騎士の鑑ともいうべき存在。だが、その白銀に輝く甲冑の中はからっぽだった――。肉体を持たず、強い意志の力によって存在するこの〈不在の騎士〉は、ある日その資格を疑われ、証を立てんと15年前に救った処女を捜す遍歴の旅に出る。彼に恋して後を追う女騎士ブラダマンテ、さらにその後を追う若者ランバルドの冒険とあわせ、奇想天外な騎士道物語が展開する。文学の魔術師カルヴィーノが、人間存在の歴史的進化を寓話世界に託して描いた《我々の祖先》三部作開幕。「指輪、ナルニア、ゲド、どれも世界を語るに足りないと思っている人への贈り物! これでだめだったら、ファンタジーに絶望していい」(金原瑞人)。

イタロ・カルヴィーノ[カルヴィーノ]
1923-1985年。イタリアの作家。キューバで生まれ、2歳の頃イタリアに移住。第2次世界大戦中のパルチザン体験にもとづく長篇『くもの巣の小道』(47)で注目され、『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『不在の騎士』の《我々の祖先》三部作(52-59)では奇想に満ちた寓話的世界を創造。『見えない都市』(72)、『宿命の交わる城』(73)、『冬の夜ひとりの旅人が』(79)など、実験的手法を駆使した作品で世界的な評価を受け、「文学の魔術師」と評される。

米川 良夫[ヨネカワ リョウフ]
1931年生まれ。イタリア文学者。早稲田大学卒業。國學院大學名誉教授。2006年没。訳書にイタロ・カルヴィーノ『木のぼり男爵』(白水社)、『レ・コスミコミケ』(ハヤカワ文庫)、『見えない都市』(河出書房新社)、チェーザレ・パヴェーゼ『月とかがり火』(白水社)、他多数。

内容説明

時は中世、シャルルマーニュ大帝の御代、サラセン軍との戦争で数々の武勲を立てた騎士アジルールフォ。だが、その白銀に輝く甲胄の中はからっぽだった。肉体を持たず、意思の力によって存在するこの“不在の騎士”は、ある日その資格を疑われ、証を立てんと十五年前に救った処女を捜す遍歴の旅に出る。付き従うは過剰な存在を抱えた従者グルドゥルー。文学の魔術師カルヴィーノが人間存在の歴史的進化を奇想天外な寓話世界に託して描いた“我々の祖先”三部作開幕。

著者等紹介

カルヴィーノ,イタロ[カルヴィーノ,イタロ] [Calvino,Italo]
1923年、キューバに生まれる。父親はイタリア人の農学者、母親は植物学者。2歳の頃、一家でイタリアのサン・レーモに移住。トリノ大学農学部に進学し、第2次世界大戦中はパルチザンに参加、戦後、その体験をもとに書き上げた長篇第一作『くもの巣の小道』(47)で、ネオレアリズモ小説の旗手として注目される。変幻自在な語りと実験的手法を駆使した作品で世界的な評価を受け、「文学の魔術師」と評される。1985年死去

米川良夫[ヨネカワリョウフ]
1931年、東京に生まれる。イタリア文学者。早稲田大学卒業。國學院大學名誉教授。2006年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かとめくん

19
騎士道華やかなりし中世フランス。白銀に輝く甲冑の主は高潔な騎士で、その潔癖さから尊敬を受けるとともに、うっとおしがられてもいた。その甲冑の中身は実は空っぽ。存在はするが実体はないこの騎士を廻り、実体として存在しながら自らの存在を正確に把握できていない従者がついてその極端な対比をみつつ全体が物語として語られるというメタ構造も持った構成になっている。と思ったら最後にその部分もひっくり返る。人間の本質とは、と問いただされているようでもあり、茶化されているようでもある。カルヴィーノ面白い。2020/03/16

りんたろう

17
★★★★2017/09/22

メセニ

11
磨き上げられた鎧の中は”空”。しかしその確固たる騎士道精神を象ったような”不在の象徴”アジルールフォ。対照的に従者グルドゥルーは、存在はするが何者でもない不確かな存在。対をなす者として、どこまでもプリミティブで、子供のような大人として描かれる。不思議な感覚に嵌まり込むのは、この対をなす存在の両方に自分自身を発見してしまうことだ。ある種の鎧を纏い生きる自分と、生身の時の自分。どちらも仮初めで不完全ではあるが、どちらも自分に違いない。存在をめぐる哲学的な思索ではあるが、”お堅さ”はない。風変わりでユーモラス。2017/04/03

spica015

10
鎧の中身が空っぽの騎士をはじめとして、登場人物の誰もが人を食ったようなキャラなのに、本人たちは至って大真面目だから面白い。中世を舞台に騎士の遍歴の旅は次から次へと事件を呼び、それが物語という枠を飛び越えて読者を不思議の世界に誘う。ドタバタ喜劇で総じて滑稽ではあるが、騎士が空っぽの存在であることや若者たちの浅はかな振る舞いに気付くとちょっと虚しく感じる時もある。なかなか形容し難い魅力ではあるが、こういう物語を構築することができる作者がただただ凄い。2017/07/07

おやまだ

9
「まっぷたつの子爵」が善と悪の物語なのならば、この「不在の騎士」は不在と実在の物語なのだろうが、そんなことはとりあえず抜きにして、とにかく語り部の自在な語り口、あっといわせる仕掛けに、夢中になってしまった。騎士譚のパロディでありながら、騎士譚という冒険ものの楽しさも踏襲しててグッド。いやあ面白かった。読むの2度目なのだが。2020/04/04

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