出版社内容情報
「死ぬ運命を忘れるな」という謎の電話が老人たちの間に引き起こす波紋と様々な人間模様をユーモアを交えて描いたイギリス小説の傑作
老いと死をめぐるブラックコメディ
「死ぬ運命を忘れるな」と電話の声は言った。デイム・レティ(七九歳)を悩ます正体不明の怪電話は、やがて彼女の知人たちの間にも広がっていく。犯人探しに躍起となり、疑心暗鬼にかられて遺言状を何度も書き直すデイム・レティ。かつての人気作家で現在は少々認知症気味のチャーミアン(八五歳)は死の警告を悠然と受け流し、その夫ゴドフリー(八七歳)は若き日の数々の不倫を妻に知られるのを恐れながら、新しい家政婦(七三歳)の脚が気になる模様。社会学者のアレック(七九歳)は彼らの反応を観察して老年研究のデータ集めに余念がない。謎の電話が老人たちの間に投じた波紋と、登場人物ほぼ全員七〇歳以上の入り組んだ人間模様を、辛辣なユーモアをまじえて描き、「この五十年間でもっとも偉大なイギリス小説のひとつ」(ジュリアン・バーンズ)と評される傑作。
【著者紹介】
1918年、スコットランドのエディンバラで生まれる。学校教師、アフリカでの短い結婚生活、第二次大戦中の政治情報局勤務、雑誌編集者等を経て、1951年、短篇「熾天使とザンベジ河」が《オブザーヴァー》紙の懸賞小説に入選。長篇第一作『慰める者たち』(57)の後、『死を忘れるな』(59)で批評家の称賛を集め、『ミス・ブロウディの青春』(61)の成功により人気作家となる。1967年にイタリアに移住。小説の他、詩、戯曲、ラジオドラマ、評伝などを手掛けた。『独身者』『マンデルバウム・ゲイト』『運転席』『邪魔をしないで』『寝ても覚めても夢』『バン、バン! はい死んだ』(短篇集)などの邦訳がある。2006年、フィレンツェで死去。
内容説明
「死ぬ運命を忘れるな」と電話の声は言った。デイム・レティ(79歳)を悩ます正体不明の怪電話は、やがて彼女の知人たちにも広がっていく。ある者は疑心暗鬼にかられて犯人探しに躍起となり、ある者は悠然と受け流し、ある者は彼らの反応を記録して老年研究の材料とした。謎の電話が老人たちの生活に投じた波紋・登場人物ほぼ全員70歳以上の複雑な愛憎関係を、辛辣なユーモアで描いたイギリス小説の傑作。
著者等紹介
スパーク,ミュリエル[スパーク,ミュリエル] [Spark,Muriel]
1918年、スコットランドのエディンバラで生まれる。学校教師、アフリカでの短い結婚生活、第二次大戦中の政治情報局勤務、雑誌編集者等を経て、1951年、短篇「熾天使とザンベジ河」が“オブザーヴァー”紙の懸賞小説に入選。小説の他、詩、戯曲、ラジオドラマ、許伝などを手掛けた。2006年、フィレンツェで死去
永川玲二[ナガカワレイジ]
1928年鳥取県米子市生まれ。東京大学文学部英文科卒業。東京都立大学助教授を経て、1970年にスペインのセビーリャに移住、海洋文学史等を研究。2000年、一時帰国中に没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
HANA
こばまり
かわうそ
tsu55