白水Uブックス
カッコーの巣の上で

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  • サイズ B40判/ページ数 515p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560071922
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

出版社内容情報

非人間的な管理体制で患者を支配する精神病院。精神の自由を賭けた戦いを挑む、不屈の反逆者を描いた名作。

【著者紹介】
1935~2001年。アメリカの作家。精神科病棟で働いた経験をもとに書きあげた小説『カッコーの巣の上で』(1962)がベストセラーとなる。舞台化、映画化も大ヒット。カリフォルニアでヒッピー・コミューンを設立、サイケデリック・バスの全米ツアーや、麻薬体験の実演、トリップス・フェスティバルの開催など、60年代若者文化に多大な影響を与えた。

内容説明

刑務所の農場労働を逃れるため精神異常を装い、委託患者として精神病院にやってきた赤毛の男マックマーフィ。そこではラチェッド婦長が厳格な規則と薬物投与で患者たちの人間性を奪い、病棟を管理支配していた。マックマーフィは笑いと不屈の反抗心を武器に婦長に戦いを挑み、その姿に無気力状態にあった患者たちも自由の喜びと勇気を取り戻していくが…。体制への反逆と精神の自由を求める戦いを描いて鮮烈な感動を呼ぶ、20世紀アメリカ文学を代表する名作。

著者等紹介

キージー,ケン[キージー,ケン] [Kesey,Ken]
アメリカの作家。1935年、コロラド州に生まれ、オレゴン大学卒業後、スタンフォード大学創作科に進む。薬物実験のボランティアとしてLSDなどの麻薬を体験、さらに精神科病棟の夜勤で得た経験をもとに『カッコーの巣の上で』を書きあげ、1962年に出版されるや大ベストセラーとなる。のちに舞台化、映画化され、これも大ヒット。カリフォルニアにヒッピー・コミューンを設立し、LSDを広めるアメリカ横断バス・ツアーを敢行、マルチメディア・コンサート“トリップス・フェスティヴァル”を開催するなど、60年代の若者文化、サイケデリック運動に多大な影響を与えた

岩元巌[イワモトイワオ]
1930年大分県生まれ。東京教育大学卒業。筑波大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

179
1960年代のアメリカを背景に、オレゴン州の 精神病院を舞台にした作品である。 婦長を頂点にした病院の規律と そこに生きる 患者たち… インディアンと白人の混血のブロムデンの 語りで 物語は進むが…規律の象徴である 婦長に立ち向かおうとする医師たちへの 視線が暖かく感じるのは、当時のアメリカの 世情を投影させているのだろうか? 激動の60年代のアメリカの雰囲気を 感じれるような、物語だった。2019/05/02

扉のこちら側

95
2016年1023冊め。【237/G1000】解説にも書かれていないし多分ほとんどの方が知らないのだろうが、60年代の「半精神医学運動」の話である。カッコー=頭のおかしい人の俗語で、その巣=精神科を指している。マックマーフィーの存在が精神科に入り込むことで、カッコウの托卵の暗喩にもなっている。(続)2016/12/02

NAO

58
再読。10代の頃、劇団四季の舞台を見た。主人公の加賀丈史とインディアンの滝田栄がとても印象的だった。映画は、ジャック・ニコルソンが主人公のイメージではなかったので見ていない。最初は打算的だったマックマーフィが、患者たちの真の悩み、悲しみを知り、婦長と対決する決心をしてからが圧巻。マックマーフィはただ単に権威に反抗するだけの暴れ者ではなく、傷つけられた者たちと悲しみを理解し共感できた。彼はアメリカ社会からの疎外者であり疎外者だからこそ、かえって、本来のアメリカの理想であった「個人の自由」の守護者だった。 2016/06/22

里愛乍

48
読み終えて、これは実際の1960年代が背景なんだよなと再確認してしまう。近未来なディストピア小説ではないのである。婦長のように言葉と態度で他人を支配する方法これは可能だし、昨今に蔓延るこれまでに聞き慣れないナントカ症候群でひとは簡単に患者になれる。第三部のコンバインの話は壮絶だ。人は状況で大きくも小さくもなる。そう、一たび患者になれば、人はそのような生き方になってしまう。マックマーフィーは最期まで大きかった。「こいつはマックじゃねえ」それが全てを物語っていた。2017/06/16

かわうそ

41
信頼できない語り手を採用することで全体の寓話性が高まって精神病院内の闘争がより広い社会の縮図としても認識しやすい。語り手が自分を取り戻すに連れて精神の霧が晴れてくる描写や一つの終わりが新たな始まりになる結末も素晴らしく非常に面白かった。2015/08/11

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