白水Uブックス<br> ぼくのともだち

電子版価格
¥880
  • 電子版あり

白水Uブックス
ぼくのともだち

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B40判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560071847
  • NDC分類 953
  • Cコード C0297

出版社内容情報

職ナシ、家族ナシ、恋人ナシ。都会で孤立し無為に過ごす青年の、とびきり切なくとびきり笑えるともだち探し。

【著者紹介】
1898~1945年。フランスの作家。コレットに見いだされ、『ぼくのともだち』『のけ者』でフィギエール賞を受賞。代表作は他に『きみのいもうと』、『あるかなしかの町』など。いかなるイデオロギーとも無縁なその作品は、戦後、アンガージュマン(政治・社会参加)文学の隆盛の陰に隠れ、次第に忘れられていったが、1970年代後半に復権を果たした。

内容説明

「孤独がぼくを押し潰す。ともだちが欲しい。本当のともだちが!」職ナシ、家族ナシ、恋人ナシ。都会で孤立し無為に過ごす青年の、とびきり切なくとびきり笑えるともだち探し。ダメ男小説の金字塔。

著者等紹介

ボーヴ,エマニュエル[ボーヴ,エマニュエル] [Bove,Emmanuel]
1898年、パリの貧しい移民の家庭に生まれる。コレットに見いだされ、1924年に『ぼくのともだち』でデビュー。ユーモアとペーソスを交えて描いた、都会で孤立する不器用な人物像が、多くの読者の共感を呼び、一躍人気作家となる。1945年病没

渋谷豊[シブヤユタカ]
1968年生まれ。信州大学人文学部准教授。専門はフランス現代文学、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

47
全て奪い去られてしまったって気分になったことはあるかい?自信も尊厳も全て朽ち果てて、冗談どころか本音すら嘲笑われる状況には?無いのなら残念なことに、この本の魅力を伝えることは叶わないのかもしれない。傷痍軍人手当で食い繋ぎ、「ともだちがほしい」と言いながら本当に望んでいるのは自分よりクズで不幸な人間。ヴィクトールが本当に恐れているのは孤独ではなく近づこうとしてまた遠くなる届かない他人との距離だ。お前は俺か。どん底の人生から生まれるユーモア。最低の人生を描ききることの出来る、最高の人生。クズ野郎文学の大傑作。2013/09/02

燃えつきた棒

38
帯に解説の豊﨑由美さんの【ダメ男小説の金字塔!】との言葉が掲げられている。 ダメ男連盟の一員として、これが読まずにいられよか?/ 大戦で負傷して傷痍軍人年金で暮らす孤独な青年ヴィクトールの「ともだちづくり顛末記」である。/ 【孤独がぼくを押し潰す。ともだちが欲しい。本当のともだちが!‥‥‥まあ、ぼくの嘆きを親身になって聞いてくれるのなら、情人だって一向に構わないわけだけれど。  一日中、誰とも話さずに街を歩き回ると、夜、部屋に戻るころにはぐったりだ。】/ 2023/09/16

空猫

31
100年前のパリ。傷痍軍人年金で暮らしている青年は、五体満足なのに働いていない事で近所からは疎まれている。 その境遇や貧 しさは何とも哀しいが、日がな一日ぶらぶら散歩したりしているのでなぁ…=⁠_⁠= 。いつも友だちや恋人になりそうな人を探しているその姿が、やる事が、考える事が、滑稽で自己中心的な処が妙におかしい。お気入りサンのレビューと表紙に惹かれて読んでみた。黒い犬がため息をついている様子が主人公をよく表している。タイトルは皮肉。自伝的小説。2024/06/12

いちろく

31
紹介していただいた本。ここまでのレベルの「駄目だこいつ…早く何とかしないと…」という主人公モノは久々。もちろん、助けて人間校正しないと、と言う意味ではない。本音の感想を書こうとしたら、主人公に対して罵詈雑言に有象無象のコトバが並ぶので略。ただ、人間ここままで行っちゃ駄目だ。でも、行く可能性がある。というケースあるじゃない?それを見せられた気がする。読書会でなければ、出会わなかったと思うタイプの本。紹介感謝!2020/08/17

長谷川透

28
書出しから主人公のクズっぷりに抱腹絶倒してしまった。読み進めれば進めるほど主人公のダメっぷりに拍車がかかる。ただ、事情だけは説明する必要がある。主人公は戦争で片手を負傷し、その補償金だけで生計を立てている。同情の余地が幾らかあるが彼が探すともだちは自分同等の、あるいは自分以下のクズ男である。自分並のダメ人間と仲良くすることが彼の慰みなのだろう。そういった人間を見つけて仲良くなろうとするが相手のリア充っぷりを見かけると激しく嫉妬するどうしようもない男。軽蔑を越えて憐みを越えて、この感情は言葉にしようがない。2013/08/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6858911
  • ご注意事項

最近チェックした商品