内容説明
インドの貧しい家に生まれ、13歳でお嫁に行ったコリー。義母は彼女をこき使い、ついには「未亡人町」に捨て去る…そんな境遇を、キルトに思いをつづりながら明るくけなげに生きぬく少女の姿を描いた感動作。全米図書賞受賞。
著者等紹介
ウィーラン,グロリア[ウィーラン,グロリア][Whelan,Gloria]
1923年、米国ミシガン州のデトロイト生まれ。詩人で、若い読者のための小説を数多く書いている。Once on This Islandでグレート・レイクス・ブック賞、『家なき鳥』で全米図書賞を受賞している。現在は、夫とともに北ミシガンの森の中に住んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gollum
17
前日は、MM9を読んでるところを見つけられてしまったMh さんに今日も同じ朝の電車で。 Mh: 先生、今日も怪獣? Gl: いやいや、今日はアメリカの人が書いたインドの少女の話ね。 君より、年下の13歳でお嫁に行った少女が、未亡人街に捨てらる話だ、とは言わず 題名の『家なき鳥』は作品中で再三登場するタゴールの詩集から。とんでもない逆境・どん底貧乏な話であるのだが、基本はYAらしく明るい。随所に登場する彼女が綴るキルト、自然の描写が美しい。しかし、この物語が書かれたのは、2000年なのだよなあ。2015/03/12
GORIRA800
9
インドの貧困に生きる未亡人の少女の話 インドに行けば人生観が変わるという話をおもいだした それくらいに日本とは違う 生き方、慣習、考え方 同じ生命でも周りの考え方が異なるだけで生き方があまりにもつらくなる 自分は恵まれているんだなと実感 未亡人物なんてたくさん小説にはあるけど自分たちとはあまりにも世界観が違いすぎて未体験の読書を楽しめた2022/09/19
はる
7
図書館本。自分の家族と暮らすのだって状況が変わればこんなに大変!という時期に偶然読む。飛び立ちかねつ鳥にしあらねば…コリーには翼があったけれど、きっと翼を持ちたいと思うことも許されなかったたくさんの人々がいる。いつか見たオールドサリーの刺繍の針目を思い出しながら、またいつか読み返したい一冊「2019/01/06
timeturner
2
貧困と無知が生み出す悲惨な世界がこれでもかというくらい描きだされていて、やりきれなくなってしまう。これがインドの現実なのか。主人公の少女のひたむきさと努力が招きよせる幸せな結末は心地よいけれど、それだけで安心してしまってはいけないのだよね。2014/03/20
ぱせり
0
日本では忘れられた「姥捨て」がいまだ生きているインドの貧困。女性の地位の低さ、というよりきちんと教育を受けていないことにより自分の権利が守られていないことにも気づかない、気づいても何もできない。でも、日本がなくしてしまったものもまた大切にされているようにおもいます。キルトのような伝統工芸が高い芸術的水準で母から娘に伝承されていくこと。信仰心。そして、ひどい人間もいるけれど、「お互い様」の助け合いの心が広く残っているようにも思うのです。2008/03/24
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