白水Uブックス
カモメに飛ぶことを教えた猫

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  • サイズ B40判/ページ数 174p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560071519
  • NDC分類 963
  • Cコード C0297

内容説明

銀色のつばさのカモメ、ケンガーは、ハンブルクのとあるバルコニーに墜落する。そこには一匹の黒い猫がいた。名前はゾルバ。瀕死のカメモは、これから産み落とす卵をこの猫に託すことになる。が、その前に三つの厳粛な誓いをゾルバに立てさせるのだった。

著者等紹介

セプルベダ,ルイス[セプルベダ,ルイス][Sep´ulveda,Luis]
1949年、南米のチリに生まれる。アジェンデ政権がクーデタによって倒れた際に、投獄され、およそ二年半の刑務所暮らしを余儀なくされる。その後アムネスティの働きかけで解放されたあとは、各地を旅してまわり、1980年からはドイツのハンブルクを拠点に、作家活動をはじめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

229
3つの大切な約束をした誇り高き黒猫ゾルバとカモメの物語。その願いを叶えるにはどうしたらいいのだろう。努力すれば何でも出来るようになると聞くけど、特殊な能力がなければ無理なこともあるし、生きていくためにそれは本当に必要なことなのかな。あの約束がぼくの迷う気持ちを強くする。どんなことがあってもきみを守らなければいけない、その思いに紡がれていく。失敗の数だけ成功の喜びは熱くなる。信頼が深まるほど寄り添い見つめていたくなる。愛の贈りものは羽ばたいていく。今宵の空のすべてはフォルトゥナータ、きみのためのものだった。2023/05/25

のっち♬

179
ハンブルクの港街で、瀕死のカモメにひなを育てて飛ぶことを教えることを約束した黒猫。物語は仲間の猫たちとの軽妙な会話を中心にテンポ良く進行する。大佐やら博士やら呼び名に対して頼りない彼らは、ひなが自発的に空を飛びたくなるまで静かに温かな愛情を注ぐ。この「まったく異なる者どうしの愛」を訴えるメッセージは著者の苦難の人生と照らし合わせると重みがある。オチはタイトルからすると意外だが、詩人にも彼の影を感じずにはいられない。「飛ぶことができるのは、心の底からそうしたいと思った者が、全力で挑戦したいと思った時だけだ」2022/01/14

麦ちゃんの下僕

153
オーディオブック。ある日、ハンブルクに住む太った黒い猫「ゾルバ」の家に、原油の波に呑まれて瀕死のカモメ「ケンガー」が墜落してきた。死の間際に1個の卵を産み落としたケンガーは、ゾルバに3つの約束を誓わせて卵を託す。ゾルバは猫の仲間たちと共に「フォルトゥナータ」と名付けられたひなを育てていく…という物語。終盤の展開(○○に助力を求めること)は腑に落ちませんが(苦笑)…ゾルバ&フォルトゥナータ&仲間たちの“絆”は本当に素敵でしたね。環境問題や動物虐待、多様性の問題etc…メッセージ性の強い作品でもありました。2022/02/24

こーた

122
ファインディング・フォルトゥナータ。群れからはぐれた親鳥は、生まれてくる雛を猫に託す。ひとたび交わした約束は必ず守る。それが港町に暮らす猫の掟だ。奇妙な仲間たちに愛情を注がれたカモメは、すくすくと成長するが、空の飛びかただけは、どうしたって猫にはわからない。難問を解くべく、猫たちはタブーを破って詩人のもとへ。唯一飛びかたを知っているのが詩人とは、なんて最高なんだ!愛らしく平易な物語のなかに、差別や環境汚染といった人間の問題も巧みに孕む。雛カモメの名は幸運という意味。愛で育んだ幸運が、大空を羽ばたいてゆく。2017/09/20

紫綺

99
1998年版で読了。種を越えた愛情が胸にアツく響く。特に太っちょ黒猫ゾルバの言葉が胸を打つ。2014/12/14

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