白水Uブックス
チボー家の人々 〈11〉 1914年夏

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  • サイズ 新書判/ページ数 338p
  • 商品コード 9784560070482
  • NDC分類 953
  • Cコード C0297

出版社内容情報

【全巻内容】 1 灰色のノート/2 少年園/3 美しい季節1/4 美しい季節2/5 診察/6 ラ・ソレリーナ/7 父の死/8 一九一四年夏1/9 一九一四年夏2/10 一九一四年夏3/11 一九一四年夏4/12 エピローグ1/13 エピローグ2

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

70
平和のために奔走するジャック。だが、私には、ことあるごとに、彼の自信過剰、傲慢さが気になって仕方がない。ジャックは、結局、自分が自由になりたかっただけで他人のことなど本当はどうでもいいと思っているようにみえてしまう。作者はずっとジャックに対して肯定的であるようにみえたが、ジャックが本人が望んだような英雄的な死ではなくその死が無意味かつ無惨だったのは、理想主義者の限界を象徴しているのだろうか。2020/05/12

syaori

57
開戦。人々が戦争へ行く中、平和の理想に身を捧げる決意をしたジャックは言う。自分に「いかなる運命が待っているかも知っているんだ!」でも本当に? 作者はずっとこの準備をしていたように思えます。自分の信じた美しい目的のための行動を望んだ、ヒロイズム駆られた若者が犬死する姿を描く準備を。負傷したジャックが牛乳を飲む姿が、死にゆく彼の父が牛乳を飲む姿と重なるのは偶然ではないのだと思います。だからこそ彼の惨い死を前に、一つの疑問が再び浮び上ってくるのでしょう。「人生は愚劣」なのか?「存在の意味はない」のか? 次巻へ。2021/02/22

榊原 香織

55
長編11巻目 う、ちょっと衝撃・・ 有名な小説なので設定知ってるつもりでしたが、こんな結末なんて(まだ終わってないけど)  結局、戦争を止めさせたのはインフルエンザウィルス(スペイン風邪)だったのかな史実としては2020/11/10

フリウリ

35
世論は雪崩を打って戦争に突入していく。第一世界戦後にフロイトは「死の欲動」をとなえたが、戦争開始が告げられるや否や、人々はこぞって「死」を目指して行進するようだ。フランス国民はドイツに対して、急に敵意をむき出したように見えるが、チボー父(カトリック)がフォンタナン夫人(プロテスタント)に敵意をもっていたように、フランス人の心奥に存していたプロテスタント(ドイツ)への敵意が、一斉に発露したということであろう。これは、決して他人事とはいえない「戦争の仕組み」であろう。ジャックは…つらいなあ。72026/03/14

みつ

17
8月1日、フランスに動員令が出される。ジゼールが帰郷しアントワーヌが軍医として召集されたことを知る。1870年の普仏戦争を見てきたフィリップ博士は彼に語る。「この戦争で、各国は、途中で踏みとどまることを考えず、ないし踏みとどまることもできないままに、みんな同時に没落するだろうと思っている」(p34)。ジャックと行動を共にしてきたジェンニーは、再会した母のもとパリにとどまることを決意する。孤立する中で平和主義を貫くジャックは、飛行機に乗り空から戦争中止のビラを撒くことを企てる。地上の戦場で物語は閉じられる。2021/07/03

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