出版社内容情報
【全巻内容】1 灰色のノート/2 少年園/3 美しい季節1/4 美しい季節2/5 診察/6 ラ・ソレリーナ/7 父の死/8 一九一四年夏1/9 一九一四年夏2/10 一九一四年夏3/11 一九一四年夏4/12 エピローグ1/13 エピローグ2
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
70
戦争の影がヒタヒタと迫って来る中で、様々な人々の思惑が錯綜する。遺産を相続したジャックは、活動家仲間たちからパトロンとみなされ、仲間たちと一体化できずにいる。そんな中でジェンニーと結ばれたのは、孤独な者同士だったからか。2020/05/10
syaori
60
開戦が迫り楽観論と悲観論が交互する時局を背景に、四年ぶりに再会したジャックとジェンニーは心を通わせ、幸福なジャックは戦争のない清純な新しい世界を希求します。でも彼は自分の恃むインターナショナルを理想視しすぎているようで大変不安。一致協力と平和を叫ぶその中にも様々な相違や温度差があることは彼も認識しているようなのに。それは、兄の医者仲間で開戦主義の青年ロワの己の「真なりと認めるものに、身命をささげて悔いなしと」する純粋さとも通ずるもので、危うさすら感じてしまいます。若者たちの一途さにはらはらしながら次巻へ。2021/02/15
榊原 香織
43
1914年7月28日、第1次世界大戦勃発。 この巻は同年7月21~27日までの出来事を綴る。 いよいよ一般の人たちも戦争の予感に震え始める。 革命家、芸術家、たくさん出てくる それぞれモデルはいるんだろか2020/11/06
藤月はな(灯れ松明の火)
31
すべての人々の平等を望む社会主義者は言論の力を持って戦争を食止めようとする。しかし、社会主義者たちの言論の力は微々たるもので、大手新聞社や出版社、経済界は愛国主義によって戦争を促す政府に迎合する。今の日本がかろうじて止めようとしているが徐々になりつつある世情と重なり、戦慄。一方、やっと互いへの好意を認めたジャックとジェンニーが微笑ましくも世情を考えると不安しか募らない。個人的に印象的だったのはフォンタナン婦人の異常すぎる寛容性に対するダニエルの糾弾。ダニエルの言葉はまさに信仰で隠した偽善性を抉り出している2015/09/29
しんすけ
20
本書後半でジャックとジェンニーの間の蟠りが解消する。二人は愛し合っていたことに漸く気付くのだ。 男女が愛し合っていることに気付くには大きなきっかけが必要っであり、大半がそれを得ることなく結ばれずに終わってしまう。 ジェンニーの父ジェロームの葬儀を主の目的としてジャックはパリにやってくる。ジェンニーの兄ダニエルとも会うが、互いに時間は限られ多くは話せない。 ダニエルが兵役に戻るのを送るつもりで駅にジャックはやってくる。ジェンニーも見送りに来ているのに気づくが、ジャックには声をかける勇気が出てこない。2020/09/01
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