白水Uブックス
チボー家の人々 〈9〉 1914年夏

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  • サイズ 新書判/ページ数 335p
  • 商品コード 9784560070468
  • NDC分類 953
  • Cコード C0297

出版社内容情報

【全巻内容】 1 灰色のノート/2 少年園/3 美しい季節1/4 美しい季節2/5 診察/6 ラ・ソレリーナ/7 父の死/8 一九一四年夏1/9 一九一四年夏2/10 一九一四年夏3/11 一九一四年夏4/12 エピローグ1/13 エピローグ2

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

71
戦争の影がヒタヒタと迫って来る中で、様々な人々の思惑が錯綜する。遺産を相続したジャックは、活動家仲間たちからパトロンとみなされ、仲間たちと一体化できずにいる。そんな中でジェンニーと結ばれたのは、孤独な者同士だったからか。2020/05/10

syaori

61
開戦が迫り楽観論と悲観論が交互する時局を背景に、四年ぶりに再会したジャックとジェンニーは心を通わせ、幸福なジャックは戦争のない清純な新しい世界を希求します。でも彼は自分の恃むインターナショナルを理想視しすぎているようで大変不安。一致協力と平和を叫ぶその中にも様々な相違や温度差があることは彼も認識しているようなのに。それは、兄の医者仲間で開戦主義の青年ロワの己の「真なりと認めるものに、身命をささげて悔いなしと」する純粋さとも通ずるもので、危うさすら感じてしまいます。若者たちの一途さにはらはらしながら次巻へ。2021/02/15

榊原 香織

44
1914年7月28日、第1次世界大戦勃発。 この巻は同年7月21~27日までの出来事を綴る。 いよいよ一般の人たちも戦争の予感に震え始める。 革命家、芸術家、たくさん出てくる それぞれモデルはいるんだろか2020/11/06

藤月はな(灯れ松明の火)

32
すべての人々の平等を望む社会主義者は言論の力を持って戦争を食止めようとする。しかし、社会主義者たちの言論の力は微々たるもので、大手新聞社や出版社、経済界は愛国主義によって戦争を促す政府に迎合する。今の日本がかろうじて止めようとしているが徐々になりつつある世情と重なり、戦慄。一方、やっと互いへの好意を認めたジャックとジェンニーが微笑ましくも世情を考えると不安しか募らない。個人的に印象的だったのはフォンタナン婦人の異常すぎる寛容性に対するダニエルの糾弾。ダニエルの言葉はまさに信仰で隠した偽善性を抉り出している2015/09/29

フリウリ

30
アントワーヌのラボにおける政治談義は「サロン政談」ではあるけれど、ジャック近辺の真剣な政治談義も、ある意味「サロン政談」に過ぎぬという皮肉。結局のところ、自分たちの自由意志の届かぬところで、すべてが決定されてしまうのだと、ジャックもアントワーヌもその仲間たちも、そしてジェンニーも感じているのだとおもう。歴史と運命にどう対応するかは人それぞれ、でなければ、未来の可能性は開かれないとはいえ、さしあたって運命に翻弄されざるを得ぬ個人の先にあるものは、愛と別れ、そして、「死の欲動」ではないだろうか。62026/03/13

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