出版社内容情報
【全巻内容】1 灰色のノート/2 少年園/3 美しい季節1/4 美しい季節2/5 診察/6 ラ・ソレリーナ/7 父の死/8 一九一四年夏1/9 一九一四年夏2/10 一九一四年夏3/11 一九一四年夏4/12 エピローグ1/13 エピローグ2
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
77
2巻末から5年後。あれだけのことがありながら、ジャックはいつの間にか高等師範学校に一発合格している。中学時代は優等生だったダニエルは、女たらしに。この二人の姿は、そこそこ賢い少年の成長過程を象徴的に描いているようだ。この巻では、医者になったアントワーヌの手術のくだりも見どころとなっている。2020/05/04
syaori
63
前巻の終わりから五年後、二十歳のジャックが難関の高等師範の試験に合格したところから始まります。時は夏。美しい季節、美しい時代。物語は、ジャックの友人ダニエルの遊戯のような恋にアントワーヌを襲った恋の嵐、ジャックの青く固い未成熟な恋など、青春を謳歌する登場人物たちの恋模様を追って進みます。その若々しい輝きに、自身の衰えを感じるチボー氏の憂愁やジャックの生や社会への苛立ちと焦燥と潔癖がほのかな影を添え、大変華やかな巻でした。アントワーヌとジャックを捉えた恋の行方、フォンタナン夫人を襲った問題を追って次巻へ。2021/02/01
榊原 香織
31
3巻目 それぞれの青春始まる。 ジードて当時革新的小説家だったのかな? テニスも当時最先端の流行?2020/10/13
藤月はな(灯れ松明の火)
30
今日(10/6)のノーベル賞のニュースを見ながら、『冷たい密室と博士たち』でも思ったことは、学業に虚しさを感じるのは名誉やどれだけの利益や恩恵を周囲に齎すかが問題視されることだと思う。それを話題にし、喜ぶのは他人だが、それは自分を満たしてくれない。それどころか、つまらないルーチンワークをこなした結果としか見られなくなり、名誉は重荷となり、逆に学問の楽しみを奪わってしまうことがあるのではないだろうか。一方、ジェンニーが吐露した「チボー家は皆、偽善者で嫌いだ!」という言葉にはよく、言ったと思いました。2015/09/18
しんすけ
21
ジャックがエコル・ノルマルの入学試験に合格した。それも上位から3位という成績で。 前巻で15歳だったジャックも20歳になっている。少年園から帰ってきて5年以上がが経過している。 その5年間でジャックは猛勉強したのだろうか。とてもそのようは思えない。ジャックにはガリ勉タイプは似合わない。 ダニエルたちは祝いと称してバクメルの店にジャックを招く。アントワーヌも招待されたが医者の仕事を片づけ午後8時までには行くと約束して帰宅した。 バクメルの店でジャックには昔の純真なダニエルを観ることはできなかった。2020/08/12