出版社内容情報
【全巻内容】1 ヘンリー六世第一部/2 ヘンリー六世第二部/3 ヘンリー六世第三部/4 リチャード三世/5 間違いの喜劇/6 タイタス・アンドロニカス/7 じゃじゃ馬ならし/8 ヴェローナの二紳士/9 恋の骨折り損/10 ロミオとジュリエット/11 リチャード二世/12 夏の夜の夢/13 ジョン王/14 ヴェニスの商人/15 ヘンリー四世第一部/16 ヘンリー四世第二部/17 から騒ぎ/18 ウィンザーの陽気な女房たち/19 ヘンリー五世/20 ジュリアス・シーザー/21 お気に召すまま/22 十二夜/23 ハムレット/24 トロイラスとクレシダ/25 終わりよければすべてよし/26 尺には尺を/27 オセロー/28 リア王/29 マクベス/30 アントニーとクレオパトラ/31 コリオレーナス/32 アテネのタイモン/33 ペリクリーズ/34 シンベリン/35 冬物語/36 テンペスト/37 ヘンリー八世
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
97
「シーザー」「クレオパトラ」と並ぶローマ劇の最後の物語。武骨かつ一本気で民衆の暗愚を嘲弄する貴族主義の主人公コリオレーナスが世の中の動きについてゆけないままに自滅する。腕っぷしと戦略はめっぽう強いが単細胞で気が短いこの男の末路が平和裏に終わるはずがない。今日の世界の政治家たちにも多くの同類がいるような気がして興味深い。母親のヴォラムニアの説得に負けるこの男も単純だが、この母親の意見が世の中の「常識」を伝えているような気がした。この作品は政治劇的側面が強くこれまでもいくつかの派生的作品が生まれたらしい。2023/10/29
Major
38
【Note1】世界文学の珠玉中の珠玉と言っても決して過言ではない、かの四大悲劇を書き終えた後、一体シェイクスピアの天才は何をこれ以上に書くというのかと思っていた。どうやらこの天才の辞書にはredundancy (蛇足)もrubbish(駄作)も無いらしい。本作品もまた傑作である。シェイクスピア全作品中登場人物は少なくとも1200人以上と言われている。魔女、妖精や妖(あやかし)の類まで含めれば、さらにその数は増すだろう。→2026/03/05
Major
37
Note1では、本作の本質が単なる政治劇ではなく、《個人の孤高な魂》と、それを育み、かつ拘束する《共同体との断絶》が主題であることを述べた。それをよく描出している二つの場面における格調高い弱強五歩格(iambic pentameter)のコリオレーナスの台詞(詩行)を取り上げた。しかし、シェイクスピア後期の作品である本作は、全体的には弱強五歩格(iambic pentameter)が崩れ、より自由で力強い、あるいは断絶的なリズムが目立つようになる。→2026/03/06
Major
34
Note4: 【3. 情念による理性の崩壊】最終的に、コリオレーナスの鋼の意志を打ち砕くのは、敵対する軍勢でも理知的な対話でもなく、母の涙という「情動」であった。彼は母の嘆願に屈し、ローマへの復讐を断念するが、それは同時に戦士としての彼の死を意味していた。→2026/03/06
Major
31
【Note3】ところで、コリオレーナスは言葉遊びを嫌悪する(主人公がほとんど言葉遊びをしていない作品はシェイクスピア戯曲では異例である)彼にとって、二つの意味を持つ言葉や婉曲表現は「卑怯者の道具」だからである。代わりにシェイクスピアは、劇中で皮肉な対比として、彼に民衆を説得するための「声(Voices)」という言葉を連打の如く多用させ、名誉の獲得のみに生きる孤高の魂の叫びを虚しく響かせる。→ 2026/03/06
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