内容説明
プラトンやアリストテレスからの攻撃には異議あり!西洋形而上学の歴史のなかで「詭弁家」の烙印を押されてきた八人のソフィストたち(プロタゴラス、ゴルギアス、リュコフロン、プロディコス、トラシュマコス、ヒッピアス、アンティフォン、クリティアス)の生涯と著作を紹介し、その復権へと導く。
目次
第1章 プロタゴラス
第2章 ゴルギアス
第3章 リュコフロン
第4章 プロディコス
第5章 トラシュマコス
第6章 ヒッピアス
第7章 アンティフォン
第8章 クリティアス
著者等紹介
神崎繁[カンザキシゲル]
1952年生。東京都立大学教授
小野木芳伸[オノギヨシノブ]
1962年生。中部大学非常勤講師
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感想・レビュー
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tamnavulin_1968
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ソフィストとひと括りにはできない多様な思想があり、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの本流(?)とは異なる源流のようなものを感じた。…のだが、ギリシャ語の単語自体、覚え難く、各々、固有の意味を持っていて、今の自分の知識では理解が追いつかなかった。諸子百家を連想したくなるのもよくわかる。後世でも時代によって揺り戻し(?)のようなものが起こるぐらいの影響力が残っていたのはやはり記録が残っていたからなのだと強く感じた。2025/05/10
f/k/a 上海
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ソフィストが詭弁家の代名詞みたいになっているのは、西洋思想の源流としてメインストリームになったプラトン、アリストテレスと対立した者として言及されるからであり、呪われた詩人ならぬ呪われた哲学者である、と序文。それらのバイアスを脱してソフィストと呼ばれた哲学者達をありのままに描き出そうという本。もっと、樽に住んだディオゲネスみたいな奇人変人が続々登場するのかと思ったら違ったw ソフィストってそういうんじゃない。限られた資料から思想の中身に踏み込むちょっと高度すぎる内容だった。2025/03/14