出版社内容情報
ストア派の哲学者として皇帝ネロの「家庭教師」を務めたセネカ。本書では彼の生涯を辿り、その哲学思想の本質を仔細に検討する。古代ローマ研究の碩学による、セネカ解読の手引き。
内容説明
ストア派の哲学者として、皇帝ネロの「家庭教師」をつとめたセネカ。彼は多くの道徳書簡や戯曲作品を残す一方で、ローマ帝政の実権を手中に収めていった。本書は、セネカの全生涯をたどりつつ、彼の哲学思想の本質を仔細に検討する。古代ローマ研究の硯学として名高いグリマルによる、セネカ解読の手引き。
目次
第1章 誕生から追放まで
第2章 追放の年月
第3章 帰還と権力
第4章 隠棲しての闘い
第5章 最期の日々
第6章 セネカの遺産
著者等紹介
鈴木暁[スズキサトル]
上智大学大学院博士後期課程単位取得。哲学・宗教専攻。現在、教育文化ネットワーク(2000年10月NPO法人設立申請)人文系主任学術研究員(副理事長)
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感想・レビュー
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Speakten
4
メモ:政治家人生と倫理・哲学的著述家と悲劇作者という三つの側面がどのように本人のなかで統合されているのかに興味があったのだが、少なくとも三番目に詳しく踏み込むには頁数が足りなかったようだ。この点に関しては他の本を探索。古来激しい批判にさらされている人となりについては冷静な資料の読み方をして理解を示している。最後の最後になってルソーを「セネカの弟子」と持ち上げていてちょっとびっくり。ここは老境に『セネカ論』まで書いているディドロではだめだったのか?2023/07/16
そーすけ
1
217*セネカの生涯を知りたかったのだが、初心者向きではなかったようだ。訳者あとがきに、『フランス語は子供の頃から勉強していますので、ことフランス語に関しては、問題はありません』(P.151)とあるが、原文の読解力と翻訳力は別物なのだろう。読みにくかった。2014/11/04
ゆき
0
セネカ自身に興味を持って手に取ったのだが文章が読みづらい。グリマルのフランス語を忠実に訳してあるのだろうが、日本語として頭に入ってこない。目的がセネカ自身だったのでグリマルのセネカに対する解釈も邪魔だった。ピエール・グリマルの翻訳としては良書なんだと思う。セネカが知りたいなら巻末の文献一覧を見て自分で調べたほうが早い。2015/11/13