出版社内容情報
ブリキのおもちゃ、幻燈機、ねじ式からくり人形……パリの万国博覧会をにぎわしたアンティーク玩具からバービー人形まで、遊戯性と芸術性を兼ね備えた「美術工芸品」の数々。フランスが発展させてきた玩具の歴史を概説する本書は、コレクターをも唸らせる、おもちゃの国の美術史研究。図版多数収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dilettante_k
4
原著96年。フランスを中心に18世紀以降の玩具産業の発展史を辿る。啓蒙主義における「子供」概念の誕生と産業革命による工業化のなかで多様化、大衆化していくおもちゃ。19世紀における百貨店や万国博覧会の勃興とともに、玩具は世相を反映し進歩を体現した一大産業として爆発的な飛躍を遂げる。一方で、仏独両国の熾烈な競争のなか、職人文化により高質を保った玩具は、次第に効率重視の波にのまれていく。また第二部は、玩具の花形、人形の発展史を特集。試行錯誤の歴史に日本が影響を与えた事実に驚く。概論ながら充実の一冊。2014/12/25
Harutomo Ueda
0
フランスを中心とした、近代以降の玩具についての概略でした。最初の特許を取得した玩具は、万華鏡だそうな。2012/04/25