出版社内容情報
政治の鍵は「象徴系」にある。政治は象徴に関わるという観点から「政治的象徴」の理論・実践・未来像を提示する本書は、ルソー、フーリエ、マルクスらを遺伝子記号的に捉え、集合的記憶社会(コンピューター通信網)のイデオロギーをもその視野に収める。政治をポピュラー・サイエンス並みの面白さで解説。
内容説明
本書は、スフェーズ氏の研究見取り図とも言うべき『天国と地獄』のダイジェストであると同時に、氏の現在の方向性も反映した、格好のスフェーズ入門書である。
目次
序論(政治的象徴の機能;政治的象徴のプロセス ほか)
第1章 政治理論における象徴―政治のバイブル(昔ながらの巧妙なからくり;古典的な政治学 ほか)
第2章 政治の実践における象徴(政治的象徴をつかさどる司祭;危機の潜伏状態にある社会における象徴的イメージ ほか)
第3章 政治的象徴の将来(混信するコミュニケーション;敵の消滅 ほか)
結論 アイデンティティーの基礎となる政治的象徴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruka Fukuhara
5
著者はパリ第9大学教授。原著は1988年刊行。大統領に関する記述が印象的だった。直接的にはフランスの大統領を想定したものだろうか。「大統領は曖昧さそのものである(べきだ)。大統領は何も代表しない。彼はもはや何かのために、あるいは誰かのために存在しているのではない。大統領は代表制を基礎づけなくてはならないがゆえに、その制度そのものを代表するわけにもいかない。国会議員や大臣は、それぞれ理由は異なっても、「ディスクール」のレベルに属している。一方大統領は「フィギュール」だ。」2017/07/03




