出版社内容情報
魔術、錬金術、神智学、ヘルメス主義、占星術、カバラ、薔薇十字思想、グノーシスなど、ヨーロッパの陰の思想に通底する思考傾向と言説をエゾテリスムという。本書はこのエゾテリスムの構造を考察し、二、三世紀から二十世紀の今日にいたるさまざまなその形態を、通史として記述した概説書。
内容説明
魔術、錬金術、神智学、ヘルメス主義、占星術、カバラ、薔薇十字思想、グノーシスなど、西洋の陰の思想に通底する思考傾向と言説をエゾテリスムという。本書はこのエゾテリスムの構造を考察し、2,3世紀から1990年代に至るさまざまな形態のエゾテリスムを通史として記述した概説書。
目次
第1章 近代エゾテリスム思想の古代と中世における源泉
第2章 ルネサンス盛期とバロック高揚期におけるエゾテリスム
第3章 啓蒙のかげのエゾテリスム
第4章 ロマン主義の知からオキュルティストのプログラムに
第5章 二十世紀のエゾテリスム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
253
難しかった。というよりも、本当に西洋社会におけるエゾテリスムの「系譜」の紹介がメインなので、ピタゴラス派とかカバラとか錬金術など、エゾテリスムに該当するジャンルや人物の紹介をしているだけのような感じ。内容がなかなか入ってこず、読むことそのものを楽しむような本ではなかった…。エゾテリスムという言葉そのものが一般的ではなく、関連書籍が少ない中では一番王道的な一冊だけど、うーんわかったようなわからんような。文章も抽象的なうえに難しい2018/01/12
マウリツィウス
10
【魔法/魔術/錬金術/カバラ諸体系】魔術の思想的限界とは新約聖書起源のグノーシス系異端に属するがその否定論は成立しない。何故なら派生とは分派であり異教とは汎神論だ。すなわち新約聖書の原型的根拠と魔術遺産の批判は相反するものではない。魔術と錬金術とはかつて人類が集合的無意識に完遂させた過去の記憶を復元したものであり、先天的活動の総称を《隠された知》と呼んだ。共通多様意義解釈論とはカバラ占有ではなく新旧聖書の展開仮説とも呈せる。魔術源泉は古代ユダヤ教での呪術とは異なり多神教と一神教の合致序説、新しい学問の徴。2013/05/20
うえ
3
「ヘレニズムの宗教形態…アブラハムの三つの宗教…それらを互いに補完的なものであるとみなし、それらに共通の分母を探求しようという着想が、フィチーノ、ピコ・デラ・ミランドラその他の脳裏に浮かんだ。こうして、とりわけ1492年以降、ユダヤ・カバラはキリスト教社会に浸透し、アナロジーという照明と普遍的調和という雰囲気のうちに、新アレキサンドリア学派と思いがけない結婚を果たした…その目的は、これらの伝統を調律し、互いに協和させることにあった…神学であったものが変容を遂げ、〈隠秘哲学〉あるいは〈永遠の哲学〉となった」2023/01/12
antoinette
1
ほとんどは事項の羅列であまり頭に入ってこない。文庫クセジュってこういう訳がこなれてないのが多いのよね。。。2015/08/30
takuyak56
0
確かに固有名の羅列が多かったが大変勉強になった。本書を読むと、なんでもかんでもエゾテリスムに関連するように見えてくる(本書では「2001年宇宙の旅」もこれに連なるとされる!)。しかし、哲学史、思想史、宗教史のオーソドクシーとして記述されるものはごく一部であって、本書で陳列される秘教の系譜こそが(とりわけ)ヨーロッパ文化・思想を形成していることこそが事実である。2017/07/12
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