出版社内容情報
武勲詩、抒情詩を生んだ中世、生を謳歌するルネサンス、さらに古典主義の勃興を経てフランス詩は次第に成熟してゆく。そして、ロマン主義、サンボリスムの豊かな成果のうえに、二十世紀の多彩にして華麗な作品が花開いた。フランス詩の起源から現代まで、豊富な引用を交えて概観する格好の入門書。
内容説明
武勲詩、叙情詩を生んだ中世、生を謳歌するルネサンス、さらに古典主義の勃興を経てフランス詩は次第に成熟してゆく。そして、ロマン主義、サンボリズムの豊かな成果の上に、二十世紀の多彩にして華麗な作品が花開いた。フランス詩の起源から現代まで、豊富な引用を交えて概観する恰好の入門書。
目次
第1章 フランス語とフランス詩の誕生
第2章 名人芸から心情の歌へ
第3章 生を謳歌するルネサンス
第4章 古典主義―唯一かつ多彩な威厳
第5章 「啓蒙の」砂漠―十八世紀
第6章 ロマン主義―魂の反逆
第7章 高踏派の大理石から「大気に溶けさるもの」へ
第8章 燃えあがる理性と咲きほこる神秘:第9章 賛否両論の生前贈与
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロビン
14
自身詩人であり小説・評論の分野でも幅広く活躍した著者がフランス語の誕生から『ロランの歌』などの武勲詩、中世の抒情詩、ルネサンス、古典主義、ロマン主義、サンボリズム、シュルレアリスムまで、フランス詩の歴史を辿った本。教科書的でなく、主観的で、ある程度フランス詩の基礎がある相手に向けて書かれている感じで、入門書としては読みにくい部類だと思う。フランス語原詩を逐一載せているのは親切。ラシーヌやモリエールなども詩人扱いなのか言及がある一方、アグリッパ・ドービニェなど日本ではほぼ知られていない詩人も大勢でてくる。2025/07/14
有沢翔治@文芸同人誌配布中
3
この批評の方法・論述はあまり好きじゃない。確かに熱意は伝わってくるが、評価が主観的・抽象的すぎて、説得力に欠ける。2016/10/23
うずまき
0
まさしく『入門者、入門編を読む』に相応しく。詩の歴史の概略がわかりやすくて面白かった。挙げられている詩も、興味をひくものが多くて、しかも原文並列が嬉しい。訳者あとがきでは、『読者が発展すべき方向への示唆』と『この本が持つ問題点』が軽くあげてある。少々古い本ではあるので、最新の状況は書かれていないです。2013/01/09