出版社内容情報
「わたしは何を知っているのか」というモンテーニュ座右の句を、宗教思想、哲学思想の流れのなかで捉え、『エセー』の成立していく進行のさまを具体的かつ綿密に追いながら、題材と表現がどのように変質していったかを説く。モンテーニュ研究の先端をいく著者が、動き働き考えるモンテーニュを活写する。
目次
第1章 初期『エセー』出版前のモンテーニュ
第2章 1580年版の『エセー』
第3章 「レーモン・スボン弁護」
第4章 三重の経験―旅行・市長職・ペスト
第5章 「わたしの肖像の諸部分への第三の補加分」
第6章 「ボルドー本」とマリー・ド・グールネーの諸版
第7章 「それだから、わたしとしては、人生を愛する」
第8章 この『エセー』というきわめて個性的な「狂詩曲」
終えるために、決着するのではなく、また結論づけることもなく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Fumoh
3
モンテーニュ研究家の著者による「エセー」解説でしたが、ちょっと分かりにくく、またオタッキーというか、自己満足的な内容であったと思います。本質的なモンテーニュ思想の掘り下げを期待すると、ただの愛好家のウンチクを聞かされる羽目になってしまいます。もちろんモンテーニュはあのルネサンス期に燦然と輝く星です。そしてさらに、モラリストの中では立派な修辞学の持ち主であった。というのは筆致が力強くて、ストレートなんですね。あのように読者の胸に直接響くような物言いを身につけるには、一体どれほどの苦労と研鑽を積まなければ2025/02/07
彼方から
2
モンテーニュの生涯や思想、主著である『エセー』についての入門書。内容としてはとてもわかりやすく纏まっていると感じた。ただ、現代的な視線から言えば訳はあまり良くない。フランス語を知っている人なら原文の構文が透けて見えそうだ。言い換えると、フランス語を知らない人にはめちゃくちゃとっつきにくい。2022/02/10
tanosyk
0
入門書にちょうど良い。2017/07/25