出版社内容情報
一方向的な情報でなく、自由な主体性をもった多方向的コミュニケーションの確立を目指し、構造主義における言語学、記号論などの成果を取り入れつつ、テクストの機能に注目したユニークな読書論や印刷マスコミ論を展開する。更に統計を駆使し、世界の文字コミュニケーションの現状と今後をも展望する。
内容説明
この情報時代にあって、情報をこえた真のコミュニケーションとは何か?現代ヨーロッパにおける言語諸科学の成果をもとに、情報の機構、テクストの諸機能に探りを入れ、さらには統計を駆使して世界の経済・文化状況を分析し、ユニークなマスコミ論と読書論を展開する。
目次
序論 口述と文字(自然的通路;痕跡;文字言語のランデヴー)
第1章 文字(言語としての文字;文字言語と情報;テクストの機能)
第2章 読み(さまざまの読みのレヴェル;テクストへの問いかけ;文学的読み)
第3章 印刷物(作者―読者のプロセス;印刷コミュニケーションの機構)
第4章 世界における文字の網の目(紙の重さ;網の目の世界的構造;読書人口と文盲;文字と視聴覚)
結論 文字コミュケーションの役割(コミュニケーションのコミュニケーション;コミュニケーションの民衆性)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかふく
2
文字は何かを伝える記号としてあるように見えながら、それだけではないものとして考えられる。この曖昧さ(?)から、そこに「読む」という行為、著者の言うところの「投影的読み」が発生し、それが「文学性」の一つの条件をなしている。「読む」という行為があるということを示すのは読者の反応であり、いかに人々が本に参加(コミュニケーション)しているかということである。そのため著者は、印刷された紙がどのようなもので、そこに文字はどのように置かれ、出来上がった本はどのように運ばれていくかということに着目する。2013/04/03
samandabadra
0
前半は納得する部分があるも、後半は?がつくものがおおくあった。インターネットも携帯電話もない時代の考察なのでそれも仕方ないといえば仕方ないか2011/01/30