感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すむるとろん
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北欧文学史を概観する本が邦訳では存在しないに等しい(山室静氏の著書内の概略はあまりに分量が少ない)ので、少ない紙数ゆえ各時代/作家への言及は僅かずつに留まるとはいえ大変貴重な入門書。特にロマン主義以降が充実しており、興味の惹かれる作家が沢山見つかる。本書の最大の難点は訳者の懸念通り人名表記。スウェーデン語に関して言えば、原語発音との差が大き過ぎて、巻末の索引なしでは全くスペルが分からない例も多々。また本書内で表記が統一されていない箇所も散見され、混乱を招く。北欧語の訳には付き物とはいえ惜しい。2013/04/30