出版社内容情報
フランスの宗教戦争は、制限王政から絶対王政への過渡期に勃発し、ブルジョワジーの興隆と近代国家の成立を促進した。本書の大きな特色は、時代史という広大な展望のなかに宗教戦争を位置づけ、信仰の危機と制度・経済・社会の危機が生み出した戦乱の時代を多面的に追究しているところにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
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「人民はみずからの統治を直接行うことができるだろうか?」「カトリック聖職者層は,戦乱にすすんで身を投じた…彼らの所有の原理そのものが批判にさらされていた…彼らがみずからの地位を守るためには,大きな犠牲を払うこともやむをえなかった」「他方プロテスタントはといえば,追放令の対象とされ,人身の危害とはいわぬまでも,その財産についてはまさしく犠牲者であった」「地中海貿易は,1536年以来フランソワ一世がスュレイマンと結んだ友好関係のおかげで,なおしばらくのあいだかつての水準を保っている」2014/08/29