内容説明
女性がけっして避けて通れない母娘関係。その意外と厄介な心理メカニズムの謎を、精神分析と社会学を専門とするふたりの女性が、童話や小説、映画など100作以上のフィクションからわかりやすい例を引きながら解き明かす。母と娘のあり方にまったく新しい展望を切り拓く、フランスでの売上げ20万部以上のベストセラー。
目次
第1部 “女よりも母”
第2部 “母よりも女”
第3部 “母”と“女”の間で
第4部 極端な母
第5部 “娘であること”から“女になること”へ
第6部 “女になること”から“母になること”へ
第7部 喪
著者等紹介
エリアシェフ,キャロリーヌ[エリアシェフ,キャロリーヌ][Eliacheff,Caroline]
1947年ブローニュ・ビヤンクール生まれ。精神分析学者、小児科医。マスコミでも活躍する著名人
エニック,ナタリー[エニック,ナタリー][Heinich,Nathalie]
1955年マルセイユ生まれ。社会学者。1986年以来、フランス国立科学研究所(CNRS)に所属。専門は芸術社会学で、著書多数
夏目幸子[ナツメサチコ]
1969年、和歌山県生まれ。1994‐95年、フランス政府給費留学生としてパリの高等師範学校(ENS)で学ぶ。京都大学・パリ第四ソルボンヌ大学文学博士。大阪外国語大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Noelle
4
          
            母娘関係の参考にと読んでみたが、途中から知り合いの母娘のことが想起された。誰しもいろんなしがらみの中で、なんとか折り合いをつけてやっているけれど、問題が表出してきて当事者だけでは解決できないほどの場合は、結構この本の例に当てはまるように思う。欧米でのフィクションを下敷きの考察だが、最後に日本の例もとりあげられていたり、その難しい母娘関係が世代を越えて連鎖する様子の分析など、参考になることも多々あった。結局のところ、父と母と娘の三人の関係の築き方次第、ということのようだ。2019/03/12
          
        KO
1
          
            小説・映画などフィクションを手掛かりに、母と娘の関係を探るというテーマの本。関係の解読というより、私にとってはむしろ母娘の切り口での小説・映画の発見が色々あり、ガイドブックといった印象でした。読みたい、観たい作品がいくつも見つかり、お得な気分に。もちろん、母娘関係についての考察も鋭く、幾つかぐっとくる言葉もありました。2013/09/10
          
        (まだない)
0
          
            (2005/11読了)2005/11/30
          
        くさてる
0
          
            映画および文学作品から母と娘の関係をテーマにした作品を引用し、考察したもの。最近の作品も皆無ではないが、ほとんどが古い作品なことと、精神分析的な解説にも古さと狭量さを感じて同感は出来なかった。2012/04/23
          
        ゴリラ爺
0
          
            著者は精神分析学者だが、母娘関係の困難を読み取れる映画や小説等のあらすじ紹介と、それらに現れる母親像の分類に終始していて、母娘関係の問題を一般化して分析・解説しようという意思を欠いている。そのためブックガイドのような趣になっているのが残念だ。それにしても、女性が自分らしく生きられない原因は、男性による抑圧よりも母親による抑圧=娘をコントロールして自分の生をやり直したいという呪縛の方が大きいのではないか。母娘の権力ゲームの巧緻には毎度驚かれる。2024/05/05
          
        

              
              
              

